日本の財政と金融問題の現状
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アジア的成熟国家モデルづくりへ、日本が目指すべき道とは
日本の財政と金融問題の現状(4)日本が目指すべき成熟国家への道
木下康司(元財務事務次官/株式会社日本取引所グループ取締役会議長)
機関投資家や経営者の生の声から日本の金融市場の問題点を見ていくと、リスクマネーを供給するための市場づくりや人材育成等の課題が浮き彫りになる。良質なスタートアップ企業を育てるにはどうすればいいのか。今こそアジア的成熟国家モデルをつくることにチャレンジするいい機会と捉えて、日本のこれからについて考える。(全4話中第4話)
時間:14分14秒
収録日:2025年4月13日
追加日:2025年7月1日
カテゴリー:
≪全文≫

●日本の投資環境でのM&Aの困難


 グロース市場ではどういう議論が出ているかということですが、先ほど言ったようなグロース市場の状況なので、JPXではグロース市場のスタートアップの資金調達について議論していまして、最近行われた関係者のヒアリングから参考になるものを申し上げます。たいへん失礼な話も入っているかもしれませんが、私が言っている話ではないのでご容赦いただきたい。

 3つグループに分けています。ベンチャーキャピタル・機関投資家の人、それからもうすでに上場している先輩経営、それからまだ非上場で上場するのかしないのか迷っている人、この3つに分けて聞いているのですけれど、ベンチャーキャピタルや機関投資家の意見は、成長ビジョンを深く考えずに始めた事業が少し成功して上場したものの、その後、行き詰まったまま経営し続けている経営者が多いということです。

 それから、成長できていない小規模な会社から、機関投資家にも投資してくれないかという話があるのだけれど、そもそも機関投資家側に投資ニーズがないことを理解していない。まずは自分の会社の時価総額が継続的に低い理由をしっかり分析してから言ってきてほしいということですね(ちょっと失礼だと思うのですが…)。

 それから、プライム市場の大企業が企業価値向上で取り組む中で、グロース市場が埋没しているのではないかということで、IPOをスタートにベンチャーキャピタルが抜けて、機関投資家も入らない状態から抜け出すのが相当大変になっているのではないかということです。

 ちなみに、ここでいう機関投資家というのは、年金(のようなアセットオーナー系)はそもそも入ってこないので、いわゆる様々なアセマネ(アセットマネジメント会社)などです。

 (続いて)上場経営者の意見は、IPOしたいのはM&Aで売るより高値が付くし、小さく儲けようというマインドになっているのではないかということで、そもそも市場の広がりがない事業領域で起業しているプレーヤーが多くなっているのではないかと。これは先輩(経営者)が言っている話です。

 それから、同業他社の経営者に「M&Aをしないか」とよく声をかけているけれど、100パーセント子会社化にはなかなか至らない。上場企業経営者というステータスが一国一城の主でいたいという心をつかんで離さないということではないか、とかです。

 それから...

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