日本の財政と金融問題の現状
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リスクマネーの不足とは?日本の金融構造の課題と対策
日本の財政と金融問題の現状(3)リスクマネー不足と金融構造の課題
木下康司(元財務事務次官/株式会社日本取引所グループ取締役会議長)
日本では、ベンチャー企業などへのリスクを伴う投資、いわゆる「リスクマネー」の供給が不足している。日本の金融市場においてその状況を打開するためには、マクロな市場整備と機関投資家の育成が必要だ。欧米に事例を参照しながら日本の現状と課題を解説する。(全4話中第3話)
時間:10分49秒
収録日:2025年4月13日
追加日:2025年6月24日
カテゴリー:
≪全文≫

●日本の金融の3つの問題点


 金融の問題に移ります。現在の日本の金融の最大の問題は、異次元緩和をどうやって正常化していくかということです。これは、今お話ししたように、財政と金融政策が今やコインの裏表になっているので、どちらも出口急ぐと大変なことになる。とにかく日銀と財務省がよく調整することが重要だと思います。

 第2の大きな問題は、リスクマネーの不足、とりわけスタートアップを支援するリスクマネーが不足している問題だと思います。これは私が今おります東証のグロース市場の低迷という、市場の問題にも関係しています。

 3番目は、アクティビストへの対応とか株式市場のあり方をどう考えるかという問題と思います。それ以外にもデジタル化に伴って、銀行や証券会社がどう安定的に淘汰されていくかとか、いろいろな問題あると思いますけれど、今回はもう時間がないので、皆さんは多少関心がおありかもしれない、リスクマネーをいかに増やすか、スタートアップから多くのユニコーンが育つにはどうするべきかということについて、少し考えていることをお話ししたいと思います。


●リスクマネーの役割とメリット


 まずリスクマネーの不足というのはどういうことかというと、リスクマネーが不足している理由はここにありますように、(家計の金融資産構成で)日本はアメリカに比べると現預金が半分、アメリカは12パーセントという構造にあります。

 それからプライベートエクイティ(PE)ファンドの量的な比率を見ても(日本は)圧倒的に量が少ない。こういうことがネックになっているのだという考え方です。

 ちなみにここでリスクマネーをどう定義するかというと、普通株、優先株、それから劣後性のデットも含む、広い意味での資本性資金です。普通株とそれ以外を区別して、よく「メザニン」といういい方もします。

 リスクマネーの第1の役割は、スタートアップの起業を促進することだと思いますし、2番目の役割は、大企業でも使っていますが、過小資本の会社のために利用される場合です。

 例えば、コロナのときそうでしたけれど、一時的に売上が大きく落ちるとか、それからリストラで特損を出して資本が大きく落ちるときに、特に上場企業の場合は株価がそれで落ちる、かつ資...

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