そもそも「財政」とは何か。「水道管」に例え、税金という形でお金を集めて必要な場所に回す仕組みだと説明する宮本氏。2025年度の予算案をもとに歳入と歳出の構造をひも解くと、歳入の約4分の1を借金(国債)に頼り、歳出でも約4分の1がその返済(国債費)に消えている歪な実態が浮き彫りになる。さらに、「41万円」という数字が何を意味するかというクイズの衝撃の答えに、会場は驚きの色を隠せなかった。第4話では、歳入と歳出のデータをもとに日本の台所事情を把握しながら日本の財政について考えていく。(2026年4月24日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全7話中第4話)
※司会:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
≪全文≫
●財政とは社会の導管
宮本 今さらですけれど、財政とはいったい何なのかを見ていき、日本の状況を考えていきたいと思います。
「財政、財政」とよく聞くと思いますが、いったい何かというと、国や地方公共団体――県とか、区とか、市とか――がお金を集めて、それを必要なところに流す仕組みです。それを全部まとめて「財政」といいます。
財政の理解の仕方は、社会の導管だと思っていただくのがよいと思います。「水道管」のようなものです。
どういうことかというと、まず税金という形でお金を集めてくる。それを必要なところに回す。それは防衛かもしれない。教育かもしれない。インフラ整備かもしれない。そうしたいろいろなところにお金を回していく。この導管が、「財政」です。
しかも財政は、ただお金を回すのだけではありません。どこにどれだけお金を配るのかを決めるのも財政です。防衛にいくら使いましょう。教育にいくら使いましょう。インフラ整備にいくら使いましょう。AI投資にいくら使いましょう。そうした配分を決めていくのも、財政の大きな役割です。
これを踏まえた上で、日本政府の台所事情を見ていきたいと思います。
●歳入と歳出からみた日本の台所事情
宮本 今回は2026年度の予算ではなく、去年、2025年度の予算を持ってきています。
2つ円グラフが出ています。左側は国の「歳出」、つまりどれだけお金を使ったのかという部分です。右側は「歳入」、つまりどこからお金を持ってきたのかという部分です。
まず歳入から見ていただきたいのですが、所得税が約23兆円入ってきています。その次に法人税、その後に消費税があります。これらが日本の三大税、あるいは「基幹税」と呼ばれるものです。
それ以外にも、アルコールの税金、タバコの税金、切手の収入など、いろいろな収入があります。そういうものを全部合わせると、歳入全体が約115兆円ある中で、税収などは85兆円程度です。残りは借金です。国債を発行して借金をしているのです。その比率は約25パーセント。つまり、日本の歳入の約4分の1は借金で賄っているということです。
では何に使っているのか。左側のグラフをみると、まず大きいのが社会保障...