日本の財政の真実を検証する
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「1秒間に41万円?」…この数字はいったい何を意味するか?
日本の財政の真実を検証する(4)日本の台所事情と財政の本義
宮本弘曉(一橋大学経済研究所教授)
そもそも「財政」とは何か。「水道管」に例え、税金という形でお金を集めて必要な場所に回す仕組みだと説明する宮本氏。2025年度の予算案をもとに歳入と歳出の構造をひも解くと、歳入の約4分の1を借金(国債)に頼り、歳出でも約4分の1がその返済(国債費)に消えている歪な実態が浮き彫りになる。さらに、「41万円」という数字が何を意味するかというクイズの衝撃の答えに、会場は驚きの色を隠せなかった。第4話では、歳入と歳出のデータをもとに日本の台所事情を把握しながら日本の財政について考えていく。(2026年4月24日開催:早稲田大学Life Redesign College〈LRC〉講座より、全7話中第4話)
※司会:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:11分21秒
収録日:2026年4月25日
追加日:2026年7月15日
≪全文≫

●財政とは社会の導管


宮本 今さらですけれど、財政とはいったい何なのかを見ていき、日本の状況を考えていきたいと思います。

 「財政、財政」とよく聞くと思いますが、いったい何かというと、国や地方公共団体――県とか、区とか、市とか――がお金を集めて、それを必要なところに流す仕組みです。それを全部まとめて「財政」といいます。

 財政の理解の仕方は、社会の導管だと思っていただくのがよいと思います。「水道管」のようなものです。

 どういうことかというと、まず税金という形でお金を集めてくる。それを必要なところに回す。それは防衛かもしれない。教育かもしれない。インフラ整備かもしれない。そうしたいろいろなところにお金を回していく。この導管が、「財政」です。

 しかも財政は、ただお金を回すのだけではありません。どこにどれだけお金を配るのかを決めるのも財政です。防衛にいくら使いましょう。教育にいくら使いましょう。インフラ整備にいくら使いましょう。AI投資にいくら使いましょう。そうした配分を決めていくのも、財政の大きな役割です。

 これを踏まえた上で、日本政府の台所事情を見ていきたいと思います。


●歳入と歳出からみた日本の台所事情


宮本 今回は2026年度の予算ではなく、去年、2025年度の予算を持ってきています。

 2つ円グラフが出ています。左側は国の「歳出」、つまりどれだけお金を使ったのかという部分です。右側は「歳入」、つまりどこからお金を持ってきたのかという部分です。

 まず歳入から見ていただきたいのですが、所得税が約23兆円入ってきています。その次に法人税、その後に消費税があります。これらが日本の三大税、あるいは「基幹税」と呼ばれるものです。

 それ以外にも、アルコールの税金、タバコの税金、切手の収入など、いろいろな収入があります。そういうものを全部合わせると、歳入全体が約115兆円ある中で、税収などは85兆円程度です。残りは借金です。国債を発行して借金をしているのです。その比率は約25パーセント。つまり、日本の歳入の約4分の1は借金で賄っているということです。

 では何に使っているのか。左側のグラフをみると、まず大きいのが社会保障...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
国家の中で個人が楽しく生きるために、なぜ「中間団体」が重要か
片山杜秀
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(27)昭和の名将・根本博
【10min解説】根本博…戦後の内蒙古での激闘と台湾での義戦
テンミニッツ・アカデミー編集部
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(5)1人の力で歴史を変えた男たち
大義にもとづく「個人の決断と行動」が歴史を動かす…名将の教訓
門田隆将
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(3)祖先崇拝の5つの特徴
夢魔の重圧?…なぜ「バチあたりの人間」が村八分になるのか
賴住光子
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦