真理は平凡の中にある
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真理は平凡の中にある
経営ビジネス
上甲晃(志ネットワーク代表)
志ネットワーク代表・上甲晃氏の持論は「真理は平凡の中にある」だ。人とは違った特別なことより、当たり前のことを徹底してやることを重視して、若者を指導してきた。上甲氏がこう考えるきっかけとなった松下幸之助の言葉、大いに共感した県立山形中央高校野球部のエピソードを踏まえ、「人間力」を上げる教育について語る。(2015年3月20日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演より、全8話中第6話目)
時間:10分33秒
収録日:2015年3月20日
追加日:2015年4月7日
カテゴリー:
≪全文≫

●変わらざるものに目を向ける


 私の持論は「真理は平凡の中にある」ということなのです。本当に大事なことは、実は当り前の中にあります。

 変化はもちろん大事だけれども、変化にばかり目を向けていると自分を見失ってしまいます。常に強迫観念に駆られるからです。俺は遅れているんじゃないか、取り残されているんじゃないか、という強迫観念です。こういう時代に変化に目を向けることはもちろん大事だけれども、もっと大事なのは「変わらざるものに目を向けろ。そうしなければ地面から足が浮いてしまう」ということです。

 今、大企業に行ってもどれだけ精神的に苦しんでいる若者が多いことか。それはあまりに変化が強調されて、浮足立った生き方になっているからではないでしょうか。私は、変化を無視する訳ではありませんけれども、もっと大事なのは、変わらざるものにしっかりと目を向けていけば、「慌てることはない。恐れることはない」という気持ちの落ち着きがあるのではないかと思ったのです。


●人間の本質は変わらない


 変わらざるものとは何か? 人間の本質は全く変わらないということです。時代がどんなに変わっても人間の本質は変わっていないのです。その証拠に、2500年前の論語を読んでみても皆、今でも心の糧にするではないですか。もし人間の本質が変わっていれば、2500年前の論語はいま読めたものではありません。聖書は2000年前。もし人間の本質が変わっていれば、聖書などとても読めません。

 今でも心の糧、基本の軸にするものは全く変わっていないということですね。だから人間の本質は何も変わっていない。その変わっていない本質にしっかり目を向けていかないと浮足立った生き方になり、常に強迫観念に駆られるのです。変わらざるものにしっかり目を向けろ。1000年後も2000年後も変わらないもの。それは何か。人間の本質は変わらないのです。


●当たり前のことを徹底してやることが大切


 ですから、若い人には「真理は平凡の中にある。だから一番大事なことは、誰でもやっている当り前のことを誰よりも徹底してやるということだ。それが“底力”だ」と言うのです。誰もがやっていない特別なことをやろうとすると、急に苦しくなるのです。自分だけ取り残されているような、遅れているような孤独感を感じるのです。私はこう思います。誰もがやっている当り前のことを誰よりも徹底...

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