コンビニの戦略~高級PB商品の好調と次のステップ
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
流通が生産を支配するコンビニのブランド展開
コンビニの戦略~高級PB商品の好調と次のステップ
伊藤元重(東京大学名誉教授)
長期デフレで低迷する日本の流通業界にあって、成長を続けてきたコンビニエンスストア。まだ5年や10年は、その動きから目が離せないと経済学者・伊藤元重氏は言う。コンビニの強さはどこにあるのか、これから彼らは何を追求しようとしているのか。現在進行形の事例を元に解説していただこう。
時間:13分06秒
収録日:2015年4月17日
追加日:2015年4月27日
≪全文≫

●躍進するコンビニのプライベートブランド展開


 コンビニエンスストアは、相変わらず非常に大きなパワーを持って、どんどん成長を続けています。ここ5年、10年における日本の流通を見ると、やはりコンビニの動きがその原動力になっている面が非常に強いだろうと思われます。

 そこで、コンビニの強さはどこにあるのか、さらにコンビニはいま何を追求しようとしているのかについて、最近のいくつかの動向を見ながらお話をさせていただきたいと思います。

 現在のコンビニの一つの重要な特徴に、プライベートブランド(PB)やストアブランド(SB)を非常に積極的に展開しようとしていることがあります。一番有名なのはセブン‐イレブンで、「金の食パン」をはじめとした高級なイメージのSBの開発に、大変成功してきたわけです。セブン‐イレブンだけではなく、ローソンやファミリーマートなどもそうで、コンビニが自主ブランドを全面に出そうとする動きが非常に目立ちます。


●ユニクロと似た展開で、流通がメーカーを支配


 これは、ちょうどユニクロが自前のブランドの開発・生産・流通の全てを管理して行うことで大成功したのと、よく似ています。これをSPAモデルと言いますが、同じような位置付けでとらえられることが多いと思います。

 そのポイントは何かというと、チャネルリーダーのポジションが、メーカーから小売業に移ったことです。特にコンビニの場合はチャネルリーダーとして強い力を持ち、さらに商品の開発から流通までを自分の支配下に置くことによってより高い付加価値を自分のところに持とうというかたちになります。

 現実に、飲料や加工食品等の世界では、一部のコンビニや大手スーパーの持っている支配力が非常に大きくなっています。そこで、メーカーの方でも、そうした小売業からのPBに対する要求に対して、ある程度は答えていかざるを得ないということだと思います。


●アメリカのPB価格はNBよりも低めの設定


 このPBについてもう一つ申し上げたいのは、アメリカとの違いです。アメリカではPBはもう随分昔からあります。アメリカは日本よりずっと早くから小売業の寡占化が進んでおり、小売業の交渉力が強くなっているために、各地で小売業が自らのPBを積極的に展開していきました。ただ、通常アメリカの小売業のPBは、メーカーが提供するナショナルブラ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
組織改革の要諦~活性化と人材活用(1)準備、スピード、タイミング
組織改革は最初に全体像と将来像を示すのが重要
秋池玲子
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治

人気の講義ランキングTOP10
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
日本人が知らない自由主義の歴史~後編(1)ニューリベラリズムへの異議
ハーバート・スペンサーとダイシー…20世紀の危機の予言者
柿埜真吾
ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として
ヒトが罪を犯す理由…脳の働きから考える「善と悪」
長谷川眞理子
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
組織心理学~「妬み」との上手な付き合い方(3)感謝のこころと「見る目」の養成
よく妬まれる人はどうすればいい?ポイントは察知能力
山浦一保
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎