10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義
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少子高齢化時代に向け外国人材の活用を推進してきた浜松市

浜松市の多文化共生の取り組み(1)外国人集住都市

鈴木康友
浜松市長
情報・テキスト
©浜松市
人口減少と少子高齢化によって、日本の生産年齢人口は今よりも大きく減少する。そのため今後、日本は移民政策を取っていく必要があるが、外国人住民の増加は、地域社会と様々な軋轢を生む。静岡県浜松市は早くからこの問題に直面し、解決策を模索してきた。浜松市・鈴木康友市長が、同市の多文化共生政策について語った。(全6話中第1話)
時間:06:48
収録日:2016/11/17
追加日:2016/12/22
©浜松市
人口減少と少子高齢化によって、日本の生産年齢人口は今よりも大きく減少する。そのため今後、日本は移民政策を取っていく必要があるが、外国人住民の増加は、地域社会と様々な軋轢を生む。静岡県浜松市は早くからこの問題に直面し、解決策を模索してきた。浜松市・鈴木康友市長が、同市の多文化共生政策について語った。(全6話中第1話)
時間:06:48
収録日:2016/11/17
追加日:2016/12/22
≪全文≫

●外国人との共生に取り組んできた浜松市


 10MTVオピニオンをご覧の皆さん、こんにちは。浜松市長の鈴木康友です。今日は「浜松市の多文化共生の取り組み」と題し、浜松市がこれまで取り組んできた内容について、その背景も含めてお話をさせていただきます。

 多文化共生という言葉は、1990年頃から外国人市民との共生について使われております。2006年に総務省がまとめた「地域における多文化共生プラン」では、「国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的差違を認め合い、対等な関係を築こうとしながら、地域社会の構成員として共に生きていくこと」とされています。

 今回は、全体を六つに分けてお話を進めます。まず「今後の日本の趨勢とその流れを先取りした外国人集住都市」についてお話しします。現在、日本では、外国人材の受け入れについて、様々な議論が活発に行われています。安倍政権では、成長戦略であるアベノミクス第三の矢として、「日本再興戦略」を策定し、「外国人材の活用」を最重要課題として位置付けています。また、2016年6月の日本再興戦略においては、多様な働き手の参画の一環として、「外国人材の活用」が位置付けられ、外国人材受け入れの在り方について「総合的かつ具体的な検討を進め、移民政策と誤解されないような仕組みや国民的なコンセンサス形成の在り方などを含めた必要な事項の調査・検討を政府横断的に進めていく」とされています。しかし、移民政策は取らないとする一方で、ご覧いただくように、外国人材受け入れの政策メニューは拡大していく状況です。

 また同再興戦略では、「海外の成長市場の取り込み」として、「TPPの速やかな発効及び参加国・地域の拡大に向けて取り組むとともに、EPAなどの経済連携交渉を戦略的かつスピード感を持って推進する」としています。このように、今後、海外諸国との経済連携が進めば、外国人の流入は阻止できないと考えます。

 これまで日本は、実質的に移民でありながら、外国人を移民と認めず、彼らを都合の良い労働者としてしか捉えないという、矛盾に満ちた方針を貫き通してきました。残念ながらこの方針は、安倍政権においても是正されておりません。今後、外国人が増えていく中、建前と本音の使い分けは限界に来ています。この後皆さんと、この移民問題について、考えていきたいと思います。


●外国人受け入れは、もはや不可避だ


 日本の人口を見てみますと、2008年に約1億2800万人でピークに達し、その後人口減少過程に入り、2016年4月には1億2700万人、2060年には8700万人を切り、現在のほぼ3分の2に減少することが見込まれています。

 また、15歳から64歳までの生産年齢人口はほぼ半減し、現在約26パーセントである65歳以上の比率が約4割に達することが予想されています。こうした少子高齢・人口減少社会を迎え、予想される深刻な労働力不足に対して、今後わが国は、一定程度の移民政策を取らざるを得ない状況にあると思います。

 外国人の受け入れについて、既にそれを先取りして進めてきた地域があります。それが、浜松市を含めた、主としてものづくり産業の盛んな自治体です。1990年に改正出入国管理及び難民認定法が施行されたことで、日系2世・3世及びその家族が、職種の制限なく就労できる「定住者」として来日することが可能となり、ブラジルをはじめとする南米日系人が、輸送用機器等の製造業集積地を中心に急増しました。

 急速に外国人住民が増えると、地域社会で言語・生活習慣・文化の違いによる課...
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