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売上は世界一!「自販機大国」日本のスゴさ
自販機というと清涼飲料水の強いイメージがありますが、駅の自動券売機も自販機なら、カプセル玩具のガシャポンも自販機。神社などのおみくじも、最近は自動販売式のものが増えていますね。一般社団法人日本自動販売システム機械工業会では、自動販売機の台数そのものはアメリカに劣るものの、国土の広さや人口換算にすると、日本は「世界一なのだ」と胸を張ります。いったいどうして日本では、これほど自販機が普及することになったのでしょう。身近なトリビアとして調べてみました。
残念ながら2018年12月27日に閉館予定ですが、ノスタルジックなものだけでなく、災害時に対応して前面パネルが開くライフラインベンダーやインテルが製作した前面パネルに透明液晶ディスプレイを使用したものなど、新しいテクノロジーを駆使した自販機も一見の価値がありそうです。
ミュージアムを運営する日本自動販売システム機械工業会では、自販機に関する各種の数値やQ&AをHP上で公開しています。たとえば、国際比較です。自販機の普及台数を飲料・食品のみにしぼって比較すると、アメリカ448万台、ヨーロッパ約380万台、日本264万台(日本:2014年、アメリカ:2013年、ヨーロッパ2005年。アメリカはVending Times社、ヨーロッパは欧州自動販売協会調べ)。国土面積や人口を考えると、日本が「自販機普及世界一」というのもうなずける数字です。
自販機で売られている物品は、飲料や食品だけではありません。日本の自販機を種類別に見ると、飲料:244.4万台、食品:7.2万台、たばこ:17.1万台、券類(乗車券、食券、入場券など):5.5万台、日用品雑貨:24万台で、合計がおよそ298万台になります(2017年12月調べ)。さらに「物」でなく「サービス」を得る就職情報自販機、パソコンソフト自販機、その他サービス自販機も登場しています。
これほど多彩な自販機を一括して監督する省庁はありません。自販機のうち、缶・ビン・PETボトル入りの清涼飲料を販売する自販機を設置するときには許可は必要ありません。たばこはたばこ事業法、酒類は酒税法、牛乳や調理式食品、カップ式自販機は食品衛生法にもとづく許可が必要なため、設置に際してそれぞれ届け出が必要になります。
酒類については、午後11時~翌朝5時まで屋外自販機の販売を停止する自主規制を実施し、現在では屋外設置の酒類自販機はほとんどありません。これ以降の国税庁による厳しい指導と相まって、年齢確認のできないタイプの自販機は全国に2753台まで減りました(2018年4月)。国税庁は「より長期的には、全ての酒類自動販売機の撤廃に向けた取組について検討を進めていく」としています。
2011年の東日本大震災を機に、飲料の自販機が消費する「待機電力」にも疑問の声が上がりました。メーカーによる改良努力が続いており、LED照明を搭載した自販機の普及が進んでいます。また、筐体上部にソーラーパネルを設置して日中に太陽光発電を行い、夜間照明電力を賄うタイプも登場しています。
自販機の有効活用をねらって、ダイドードリンコでは、傘を無償で貸し出す「レンタルアンブレラ」活動を、地域社会貢献のために2015年からスタートしています。レンタル用の傘には私鉄やJRなどの「忘れもの傘」をリサイクル活用。2018年6月には16都道府県500台にまで広がったので、今後見かけるチャンスが増えそうです。
また、サントリーとぐるなびが共同開発した、法人向け宅配弁当サービス「宅弁(たくべん)」にも注目。飲み物を買うように自販機にお金を入れて午前10時までに注文すれば、正午までに近隣レストランから弁当が届く仕組みです。注文すると、飲み物を10円引きで買えるコインが戻ってくるのも、ちょっとお得気分。ランチ難民救済と自販機不況の一石二鳥をねらうサービスです。
路上やビル内で見かけない日のない自販機、今後どう変貌していくかは、消費者次第なのかもしれません。
世界初の自販機は、いつ、どこで、何を?
そもそも世界で初めての自販機は、古代エジプトの寺院に設置された「聖水」を販売するための装置だったといいます。このようなレアすぎる歴史的レプリカをはじめ、昭和30年代に大流行した噴水式のジュース販売機やガムの自販機など昔なつかしい自販機に出会えるのが、群馬県前橋市の「わくわく自販機ミュージアム」です。残念ながら2018年12月27日に閉館予定ですが、ノスタルジックなものだけでなく、災害時に対応して前面パネルが開くライフラインベンダーやインテルが製作した前面パネルに透明液晶ディスプレイを使用したものなど、新しいテクノロジーを駆使した自販機も一見の価値がありそうです。
ミュージアムを運営する日本自動販売システム機械工業会では、自販機に関する各種の数値やQ&AをHP上で公開しています。たとえば、国際比較です。自販機の普及台数を飲料・食品のみにしぼって比較すると、アメリカ448万台、ヨーロッパ約380万台、日本264万台(日本:2014年、アメリカ:2013年、ヨーロッパ2005年。アメリカはVending Times社、ヨーロッパは欧州自動販売協会調べ)。国土面積や人口を考えると、日本が「自販機普及世界一」というのもうなずける数字です。
路上自販機は、日本だけの風景?
アメリカやヨーロッパでは治安上の観点から自販機が屋外に置かれることはまずないため、海外からの観光客は路上の自販機に目を見張るといいます(日本では、カップ式自販機は食品衛生法上「喫茶店営業」の許可が必要なため、屋内に設置されます)。自販機で売られている物品は、飲料や食品だけではありません。日本の自販機を種類別に見ると、飲料:244.4万台、食品:7.2万台、たばこ:17.1万台、券類(乗車券、食券、入場券など):5.5万台、日用品雑貨:24万台で、合計がおよそ298万台になります(2017年12月調べ)。さらに「物」でなく「サービス」を得る就職情報自販機、パソコンソフト自販機、その他サービス自販機も登場しています。
これほど多彩な自販機を一括して監督する省庁はありません。自販機のうち、缶・ビン・PETボトル入りの清涼飲料を販売する自販機を設置するときには許可は必要ありません。たばこはたばこ事業法、酒類は酒税法、牛乳や調理式食品、カップ式自販機は食品衛生法にもとづく許可が必要なため、設置に際してそれぞれ届け出が必要になります。
消えゆく「酒類」の自販機、増える自販機サービス
自販機には、いろいろな観点から疑問もぶつけられてきました。まず、未成年にもお酒やたばこが簡単に買えてしまう点。たばこでは、成人識別装置をつけた「taspo」式自販機が2008年から稼働しています。また、たばこ自販機はピーク時には全国で63万台あったのが、2017年には17万台まで減少しています。酒類については、午後11時~翌朝5時まで屋外自販機の販売を停止する自主規制を実施し、現在では屋外設置の酒類自販機はほとんどありません。これ以降の国税庁による厳しい指導と相まって、年齢確認のできないタイプの自販機は全国に2753台まで減りました(2018年4月)。国税庁は「より長期的には、全ての酒類自動販売機の撤廃に向けた取組について検討を進めていく」としています。
2011年の東日本大震災を機に、飲料の自販機が消費する「待機電力」にも疑問の声が上がりました。メーカーによる改良努力が続いており、LED照明を搭載した自販機の普及が進んでいます。また、筐体上部にソーラーパネルを設置して日中に太陽光発電を行い、夜間照明電力を賄うタイプも登場しています。
自販機の有効活用をねらって、ダイドードリンコでは、傘を無償で貸し出す「レンタルアンブレラ」活動を、地域社会貢献のために2015年からスタートしています。レンタル用の傘には私鉄やJRなどの「忘れもの傘」をリサイクル活用。2018年6月には16都道府県500台にまで広がったので、今後見かけるチャンスが増えそうです。
また、サントリーとぐるなびが共同開発した、法人向け宅配弁当サービス「宅弁(たくべん)」にも注目。飲み物を買うように自販機にお金を入れて午前10時までに注文すれば、正午までに近隣レストランから弁当が届く仕組みです。注文すると、飲み物を10円引きで買えるコインが戻ってくるのも、ちょっとお得気分。ランチ難民救済と自販機不況の一石二鳥をねらうサービスです。
路上やビル内で見かけない日のない自販機、今後どう変貌していくかは、消費者次第なのかもしれません。
<参考サイト>
・日本自動販売システム機械工業会
https://www.jvma.or.jp/
・News from Japan:弁当注文できる自販機=サントリーとぐるなびが開発
https://www.nippon.com/ja/news/yjj2018070501116/
・日本自動販売システム機械工業会
https://www.jvma.or.jp/
・News from Japan:弁当注文できる自販機=サントリーとぐるなびが開発
https://www.nippon.com/ja/news/yjj2018070501116/
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