DATE/ 2025.11.17

大掃除を避けた方がよい日とは?

 年末には必ず大掃除するという人は多いのではないでしょうか。すっきりした気持ちで新年を迎えたいのは自然な気持ちでしょう。ニュースでも毎年年末になると日本各地の寺社仏閣で大掃除が行われている映像が流れます。このことからも分かるように、実は大掃除は日本ならではの風習です。大掃除は「煤払い」とも呼ばれ、その起源は平安時代までさかのぼります。

 もともとは宮中で一年の煤を清めてお正月に訪れる神様「年神様(歳神様)」を迎え入れるための準備でした。この「年神様」は豊穣神=穀物の稔りを約束してくれる神様です。江戸時代になると12月13日が「煤納めの日・正月事始め」とされ、江戸城の大掃除が行われていたそうです。現代でも12月13日は「大掃除の日」です。ただし、大掃除をしてはいけないとされている日もあります。これはいつ、なぜなのでしょうか。少し詳しく見てみましょう。

12月29日と31日の大掃除は避ける

 ではなぜ江戸時代に12月13日が「正月事始め」とされたのでしょうか。これには、古代中国で暦(こよみ)の作成にも用いられた「二十八宿(にじゅうはっしゅく)」において、28日ごとに訪れる吉日である「鬼宿日(きしゅくび/きしゅくにち)」に該当したことが関連しているそうです。

「鬼宿日」とは鬼が外出しない日を意味し、婚礼以外の行事を始めるのに良いとされていた日です。このことから12月の鬼宿日に新年の準備を開始する事になりました。こうして新年の支度は12月13日から始めて28日までには終えるというのが伝統的な考え方とされています。29日を避けるのは9が「苦」を思わせたり、29の読みが「二重苦」に通じるからという話もあります。

 また大晦日(31日)も避けます。これは歳神様を迎えるにあたって急ごしらえで失礼にあたると考えられるからです。また元旦(1月1日)の掃除は、せっかく訪れた歳神様を追い払ってしまうことになると考えられるので、この日も掃除は避けます。

大掃除は計画的に

 このように、大掃除は立派な日本の伝統行事なのですが、イギリスやアメリカなどの欧米地域では「スプリングクリーニング」という言葉があるように、大掃除は春に行われるようです。これは、そういった地域では冬の間に暖炉を使い、暖かくなりはじめた春に煤や灰を綺麗にしていたことによります。今では暖炉は少なくなりましたが、春を迎える準備として今でも大掃除といえば春を連想する人は多いようです。

 世界それぞれの地域文化はありますが、健康で文化的な生活をするには、やはり一年に一度の大掃除は必要でしょう。ただし年末は何かと忙しない状況が続きます。大掃除を行う時にはまずはいつ、どこを掃除するか、早めに計画を立ててから行いましょう。必要な道具も事前にリストアップして買いそろえておくとよいです。

またモノが多いと掃除もなかなか進みません。不要なものを事前に処分しておくことも大事です。大きなものの不用品回収には予約が必要で時間もかかります。また年末年始はゴミ回収もお休みの場合もあります。大掃除はぜひ早めに、計画的に行ってすがすがしい気持ちで新年を迎えましょう。

<参考サイト>
・12月13日は正月事始め、何をする日?|ウェザーニュース
https://weathernews.jp/s/topics/202312/060175/
・大掃除の日はいつ?年末に大掃除をやる意味・やってはいけない日なども解説|暮らしのマーケットマガジン
https://curama.jp/water-cleaning/5set/magazine/2052/
・大掃除はいつから?年末にやる意味やいつまでに終わらせるべきか解説|Kajily
https://www.happy-bears.com/kajily/nayami/10724/
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