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DATE/ 2019.05.10

タンス預金が43兆!なぜこんなに多いのか?

 日本人は貯蓄にまわすお金が多いとよく言われますが、今回はその貯蓄方法について。貯蓄というと銀行などの金融機関に預けることが一般的かと思われます。しかし、日本のいわゆる「タンス預金」は2017年2月末時点で43.2兆円とされています(第一生命経済研究所の調査)。またこの金額は銀行券発行残高のうち、43.5%を占めているとのこと。つまり、およそ発行される紙幣の4割超がタンス預金として眠っているということになります。ここでは「タンス預金」の何が問題なのか、少し詳しくみてみましょう。

日本人の現金主義は突出している

 日本は先進国の中でも特にお札を多く発行している国のようです。2017年末時点で、日本に流通する現金残高はおよそ100兆円です。額が大きすぎてピンときませんが、日本のGDPはおよそ550兆円弱なので、この金額は日本のGDPの約2割程度となります。一方、ユーロ圏は10.6%、米国は7.9%、英国は3.7%です、また特に電子決済の進むスウェーデンでは1.7%となっています。日本の紙幣発行量は先進国のなかでもかなり高いと考えていいでしょう。日本人の現金主義は他国に類をみないもののようです。

タンス預金にメリットはあるか

 先述しましたが、タンス預金の総額は43.2兆円。つまり、43.2兆円が個人の家で眠っていることになります。では、現金として持っておくメリットはなんなのでしょうか。

 とりあえずいつでも使える、ということがまず思いつくかと思われます。また「銀行が破綻するリスクに備えて」という考えもありうるでしょう。また、銀行に預けていると手数料が高い、引き出せる金額に制限がかかっているといった不便さもあります。

 まず破綻という点に関して言えば、銀行が破綻したとしても、預金は基本的に1000万円まで保護されます。また1000万円を越える貯金は分散して預ければ問題はありません。また、引き出せる金額に制限がかかっている点は、むしろ安全弁と言えるかも知れません。もし詐欺に遭った場合、銀行は最後の防波堤となり得る場所です。ここでおかしいと指摘を受けて未然に犯罪が阻止できる可能性もあります。

タンス預金のリスク

 タンス預金が日本で起こる理由の一つは、「インフレが起きない」ことが最も大きいのかも知れません。インフレとは通貨価値が下がることです。インフレは少しずつ起こった方が国の経済としてはいいようですが、現在はあまり起こっていません。つまり時間が経っても通貨の価値が変わらない、さらに銀行に預けていても金利はほとんどつかない、となれば、いつでも使える利便性が優先されるのも分かる気はします。しかし、タンス預金のリスクはたいへん高いことも私たちは意識しておかなければなりません。

 まず、日本は災害の多い国です。家に置いていて災害に遭った場合、基本的に現金は補償されません。盗難や強盗といった犯罪のリスクは高まります。また、保管場所を忘れてしまうこともあり、もしそのまま本人が亡くなった場合、だれもその存在を知らずに家ごと処分されてしまうということも考えられます。実際に高齢世帯が増えた現在、こういったことは起こっているようです。

 こう考えてみると、リスクという点から言えば、銀行に預けておいた方がいいことは間違いないと思われます。

お金が動くことで世の中は良くなるかもしれない

 ここまで挙げてきた、タンス預金が問題となる理由は言わば、個人にとっての問題ですが、タンス預金はもっと大きな世の中の問題でもあります。私たちが銀行に預けたり、なにかに投資したりするお金は世の中を動きます。これはもちろん消費したお金でも同じですが、要は世の中を回ることでお金はより多くの人の役に立つと考えていいでしょう。

 もしタンス預金総額43.2兆円が世の中に出回ったら、もっとさまざまな事業が動きだす可能性もあります。誰でもお金を動かせば豊かになれるという時代ではありませんが、知恵と熱意のある企業や組織にお金がうまくまわれば、社会はより発展する可能性があります。

<参考サイト>
・日本経済新聞:増える日本の現金流通、世界で突出
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ21HGM_R20C17A2000000/
・JTB総合研究所:日本19.4%、スウェーデン1.7%
https://www.tourism.jp/tourism-database/figures/2018/03/cashless-payment/
・中日新聞プラス:現金のなくなる日
https://chuplus.jp/blog/article/detail.php?comment_id=7305&comment_sub_id=0&category_id=561
(10MTV編集部)

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