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DATE/ 2022.10.02

マイナンバーカードはなぜ普及しないのか

 2016年に始まったマイナンバー制度。同年1月からマイナンバーカードの交付が始まっています。あなたは、マイナンバーカードを持っていますか? マイナポイントがつくキャンペーンをやっていたタイミングで作った人もいれば、まだ作っていない人もいるでしょう。実際のところ、2022年8月末時点で交付した人は全体の47.4%と約半数の人がまだマイナンバーカードを持っていないのが現状です。いまだに普及が進まないのは、一体なぜなのでしょうか。

そもそもマイナンバー制度とは

 マイナンバーとは国民ひとりひとりに付与された12桁の番号のことです。これまで国民ひとりひとりの情報は各機関・各自治体が個別で管理していました。マイナンバーを導入することで、それぞれの機関が持つ個人情報が同じ人物のものであると確認することができるようになり、効率的に情報を管理できるようになるのです。

 そのため、社会保障・税金関連の申請時に必要な提出書類が減って面倒な手続きが簡単になる(国民の利便性の向上)、各機関・各自治体間での情報連携が簡単になるので情報の取り違えなどのミスが減る(行政の効率化)、そして税金の支払いや助成金の受給などの不正を防止することができるようになる(公平・公正な社会の実現)といったメリットがあるのです。

マイナンバーカードを持つことのメリット

 国民の利便性の向上というメリットがあると上述しましたが、具体的には「本人確認書類になる」「健康保険証として使える(別途申請が必要)」「各種証明書がコンビニのマルチコピー機で発行できるようになる」「確定申告などの行政手続きがオンライン上で完結できる」といったポイントが挙げられます。

 また、マイナンバーカードの交付促進のためのキャンペーンが実施されているときであればマイナポイントをもらうことができるのも大きなメリットです。2022年6月からはじまったマイナポイント第2弾では最大で2万円分のポイントをもらうことができ、キャッシュレス決済サービスのチャージ残高として使うことができます。マイナンバーを作ろうと思っている人はこのタイミングを逃さないようにするのが良いでしょう。

なかなか普及しない理由とは

 こうした利便性があってキャンペーンも実施されているにもかかわらず普及率が上がらない背景には、マイナンバー制度にリスクを感じている人が少なからずいる現実をうかがうことができます。

 前述の通り、マイナンバーカードにはあらゆる個人情報が紐づいているため、紛失したときの情報漏洩の危険性は計り知れません。マイナンバーカードを作成したときの4桁の暗証番号も漏洩してしまえば、その人の税金や所得額さえも閲覧されてしまったり、公的な書類を勝手に発行されてしまう危険性があるのです。

 また、銀行口座や証券口座との紐付けも進んでいることから資産状況が国や自治体に筒抜けになることを危惧する人もいます。政府はそうした使い方は否定しているものの、実際に紐づけてしまえば情報を見ることはできるため、疑念を拭えない人も多いのが現実です。また、情報が漏洩した場合には口座情報までもが筒抜けになる危険性さえもあり、そのリスクを負いたくないという気持ちを持つ人は少なくないのです。

 積極的にマイナンバーに反対する人もいますが、本人確認書類は運転免許証で間に合っている、各種書類の発行もこれまでと同じやり方で困っていないなど、マイナンバーカードを作る必要性を感じていないという人も少なくはありません。こうした点も普及にブレーキをかけているといえるでしょう。

 現時点では交付は任意となっていますが、今後はマイナンバーカードでないとできない手続きも出てくる可能性もゼロではありません。マイナンバーを作るかどうかは今後の動向を見ながら、それぞれできちんと判断していく必要がありそうです。

<参考サイト>
・総務省|マイナンバー制度とマイナンバーカード
https://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/index.html
・マイナンバーカードを絶対作らない理由とは?デメリットは何?徹底解説 | セゾンのくらし大研究
https://life.saisoncard.co.jp/health/second-life/post/c515/
・マイナンバーと銀行口座を紐付け、メリット&デメリットは? | ZEIMO
https://zeimo.jp/article/31969
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