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DATE/ 2020.03.02

47都道府県の「平均貯蓄額」ランキング

 働けど働けど、なかなか貯まらないお金。欲をおさえて節約していても、食品や生活必需品の値上げに増税と、なかなかキビシイ現実があります。いっそのことどこか別の場所で生活してみればどうなるかと考えたことが少なからずあるのではないでしょうか?

 そこで今回は、都道府県庁所在市別で貯蓄額を比較してみることにしました。比較のためのデータは、2018年の調査で2019年5月に公開された総務省統計局による家計調査によります。

貯蓄額で奈良市が横浜市を抜いて1位に

 では、早速、貯蓄額のベスト10をご覧ください。

1位:奈良市/2,786万円
2位:横浜市/2,716万円
3位:東京都区部2,433万円
4位:津市/2,420万円
5位:千葉市/2,146万円
6位:福岡市/2,089万円
7位:高松市/2,088万円
8位:京都市/2,043万円
9位:金沢市/2,013万円
10位:神戸市/2,011万円

 平均貯蓄額が1,752万に対して上位ランキングのこの額、いかがでしょうか?関東近郊都市をおさえて1位にランキングした奈良市の存在感が目をひくところです。

 47都道府県の一覧は以下の通りです。





 他の調査項目からこの上位ランキングの理由を探ってみると、平均58.9才に対して、奈良市/61.3才、横浜市/60.5才と世帯主の平均年齢の高さにあることがわかります。また、持ち家率も平均84.7%に対して、奈良市/92.3%、横浜市/81.3%でした。

近畿地方も全体的に健闘

 全体の分布をみると、三大都市の周縁市部が上位ランキングされていることがよくわかります。それなりの年収が期待できる東京や大阪の主要企業の通勤圏内として、その近郊市部に安価なマイホームを持つといったプロフィールが伺えます。

 その中で、奈良市、神戸市につづいて、京都市などもベスト10内に入っているなど、近畿市部エリアも十分健闘しているといってよいでしょう。

 人口が集中する都市部においては、通勤圏内としておさまる地価の安いエリアに家を持つことが、貯蓄のためのアドバンテージが高くなっているようです。

貯蓄額の地方格差に驚くばかり

 ちなみに下位ランキングを見てみましょう。

1位:那覇市/752万円
2位:青森市/982万円
3位:宮崎市/1,149万円
4位:秋田市/1,149万円
5位:熊本市/1,176万円
6位:鳥取市/1,248万円
7位:札幌市/1,302万円
8位:高知市/1,304万円
9位:鹿児島市/1,381万円
10位:盛岡市/1,418万円

 最も低い貯蓄額となった那覇市/752万は、最上位ランキングの奈良市と4倍以上の開きがあることがわかります。九州、東北、北海道といった地方と三大都市部の貯蓄格差には驚くばかりです。

<参考サイト>
・e-Stat:家計調査 / 貯蓄・負債編 二人以上の世帯 詳細結果表
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20180&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&result_back=1
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