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DATE/ 2017.03.21

おいしくてもB級?B級グルメの魅力とは

 旅行先での楽しみにはどんなものがありますか?風光明媚な場所を見に行ったり、現地のイベントに参加したり、あるいは現地の人と触れ合ったりなどさまざまありますが、そうした楽しみのひとつとして、「食」をあげる方も多いのではないでしょうか。美味しいものは、それだけで心を満たし、人を幸せにしてくれます。

 その土地、その場所でしか食べることができないもの、変わった食材、食文化、伝統料理などなど。ご当地の「食」の魅力は無限大です。なかでも、リーズナブルにおいしいものが食べられるということで、この10年で「B級ご当地グルメ」という言葉も定着しました。

 大型連休を前に、今回は「B級グルメ」の魅力についてご紹介いたします。

懐にやさしく、なのに美味しい「B級グルメ」

 そもそも「B級グルメ」という言葉は、「B級映画」に由来しています。「B級映画」というのは、決して「質の悪い映画」という意味ではなく、「短時間」「低予算」で作られた作品を指す言葉でした。名作であることと、予算や時間は関係ありません。これが転じて、「安価」で手に届きやすく、「庶民的」だけれど美味しいという食べ物を「B級グルメ」と呼ぶようになったといわれています。

 1980年代には、言葉としての「B級グルメ」はすでに存在していました。やがて各地域の特産品や伝統料理などの「ご当地グルメ」と、この「B級グルメ」が合わさり、「B級ご当地グルメ」という言葉が誕生したのです。

 ゆるキャラブームなどと相まって、町おこしの一環として全国に広まり、2006年には「ご当地グルメでまちおこしの祭典」、通称「B-1グランプリ」も開催されました。つまり、「B級ご当地グルメ」による「B-1グランプリ」はすでに10年以上の歴史を持っているということになります。

人のいるところに「B級グルメ」あり!

 しかし、一口に「B級ご当地グルメ」といっても思い浮かぶものがないという方もいるかもしれません。なんだか突飛なものをイメージしたり、あまり身近に感じていない方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまで“地元の安くておいしい料理”のこと。何か特別なものではなく、それぞれの町、それぞれの店、人のいる場所には必ずといっていいほど存在しているものなのです。

 その中でも代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

 北陸新幹線開業から2年。現在も多くの観光客で賑わっている金沢では、「金沢カレー」という「B級グルメ」が有名です。どろりとした黒色の濃厚なカレールーと付け合わせのたっぷりキャベツが特徴で、カツレツを上に乗せソースをかけるバージョンもあります。こってりとしたルーの味が人気を博し、レトルトカレーにもなっています。

 青森県の八戸発祥の「八戸せんべい汁」は、地元名産の南部煎餅を使用した郷土料理のひとつでもあります。その歴史は江戸時代にさかのぼり、天保の飢饉のころに誕生したといわれています。「B級グルメ」というと、歴史の短い料理のようにも感じますが、こうした古くから地元の人々に愛されているものもあるのです。

 三浦半島の「よこすか海軍カレー」や長崎の「佐世保バーガー」、群馬県前橋の「焼きまんじゅう」なども、広く「B級ご当地グルメ」といえます。いずれも数百円から1000円前後と、お手頃な価格帯で舌を満足させてくれます(なお値段はお店によって異なりますので、詳しくは各販売店等でご確認ください)。

お気に入りの「B級ご当地グルメ」を見つけよう

「B級グルメ」のいいところは、なによりも庶民的なところです。特別なドレスコードも、必要なテーブルマナーもなく、ふらりと立ち寄り、思うままにその味を楽しむことができます。

 観光地のパンフレットや案内サイトなどでも、こうしたご当地の「B級グルメ」を紹介しています。旅先だけでなく、みなさんが住んでいる街にも隠れた「B級グルメ」があるかもしれません。宝探しのように、自分のお気に入りの逸品を見つけてみてはいかがでしょうか。

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