テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2024.07.02

あなたが気になる電車での他人のマナーは?

 通勤や通学に欠かせない電車。乗ってしまえば目的地まで多くの人と限られた空間を共有するだけに、日頃はスルーしている「マナー違反」が目につきます。満員電車で許せないのは?乗り降りのときのお作法は?一度自分でもチェックしてみましょう。

「音」「匂い」「ゴツゴツ」が気になります

 電車の中で出会ってイラっとする代表格が「イヤホンから漏れ出るカシャカシャ音」だとよく言われます。大した音量ではないのですが、携帯の着信音よりも白い目で見られやすいのは、聞いている人が自覚すれば、なんとか対策ができるため。音量調節や音漏れしにくいタイプを選ぶなど、自分も周囲も快適に車内音楽を楽しむ方法を見つけている人にならってみましょう。

 音といえば、酔っ払った友達や知人同士が周囲を気にせず大声・高声を張り上げるのは、車内マナーとして最悪。夜の電車では、仮眠で疲れを癒したい人も多いことをお忘れなく。

 音と同様、逃げ場なく感じられるのが「匂い」です。お酒の匂いもそうですが、近くで香水の匂いがプンプンすると、耳元で大声で話しつづけられるぐらい苦痛になります。とくに梅雨どきから夏にかけては、汗臭さと制汗剤の匂い、どちらがマシ?とガマンくらべを強いられている気分にも。冬は冬で、シーズン終わりまでクリーニングされないダウンの匂いにも閉口します。

 ハンバーガーやポテト、餃子など、匂いが広がる食べ物は、「食べるか食べないか」以前に持ち込まれただけで気分が悪くなる人も多いはず。少なくとも満員電車では遠慮したいですね。

 電車の中の音や匂いは多少ガマンできても、ガマンできないのが痛み。PCを入れたブリーフケースや角のあるショルダーバッグなどがゴツゴツぶつかってくると、思わず声が出ます。リュックの前持ちをする人も増えましたが、自分がどのぐらいパーソナルスペースを占めているのか、車内では強く意識してみましょう。

「乗り降りの際は…」自分は例外と思ってない?

 ドア付近に立った人が駅に着いても動かないのは、マナー外れというより積極的な迷惑行為。その分乗り降りに無駄な時間を要するのでダイヤの乱れにまでつながります。

 ドア横の空間は「乗り降りに便利」で、多少揺れても落ち着ける場所ですが、ドア周辺だけが混んでいて中はガラガラということもよくあります。乗り降りの人だけでなく、中に入りたい人のじゃまにまでなっていることも想像してみたいです。

 さらにドア横で座席の仕切りにもたれかかりすぎると、端に座っている人に迷惑です。リュックやパーカーのフード、女性の長い髪が侵入してくると、ちょうど目のあたりにぶつかります。ぶつかってからあやまっても、手遅れですね。

 電車のドア横には、意外に多くの問題がひそんでいました。毎日流れるアナウンスにしたがい、「ドア付近は大きく開けて」「車内の中ほどまでお進み」するだけで、車内の空気が変わってきます。

「座席の座り方」に注目が集まっています

 日本民営鉄道協会(民鉄)では乗客のマナーアンケートに取り組み、2000年以来「駅と電車内の迷惑行為ランキング」を発表しています。

 2000年のワースト3は「携帯電話の使用」「座席の座り方」「荷物の持ち方・置き方」でしたが、23年後の2023年では「座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等)」「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」「乗降時のマナー(扉付近で妨げる等)」が評判の悪い行為です。2019年に設けられた「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」は、コロナ禍を経て敏感になった人が多いのか堂々の2位。また2023年に新しく設けられた「強い香り(香水・洗剤・柔軟剤・化粧品等)」は7位にランクインしました。

 男女別では、男性の1位が「座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等)」、2位が「乗降時のマナー(扉付近で妨げる等)」、3位が「騒々しい会話・はしゃぎまわり」で、女性は1が「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」、2位が「座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等)」、3位が「騒々しい会話・はしゃぎまわり」でした。

 「自分は出来ているから関係ない」と思っていても、よく思い返してみると当てはまる行動も見つかるかもしれません。一人一人が意識して車内マナーを守って、快適・スムーズな通勤・通学をつづけたいものですね。

<参考サイト>
・日本民営鉄道協会「2023年度 駅と電車内の迷惑行為ランキング」
https://www.mintetsu.or.jp/activity/enquete/2023.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
雑学から一段上の「大人の教養」はいかがですか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,200本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

映画『君たちはどう生きるか』とつながる山上憶良の答え

映画『君たちはどう生きるか』とつながる山上憶良の答え

山上憶良「沈痾自哀文」と東洋的死生観(3)「沈痾自哀文」現代語訳を読む

宮崎駿監督の映画『君たちはどう生きるか』の一つの大きなテーマは、自分が恵まれていることにどう気づくかではないかと上野氏はいう。これは戦後日本のあり方、目指すべきものへの痛烈な問いかけではないだろうか。このことに...
収録日:2024/04/02
追加日:2024/07/26
上野誠
國學院大學文学部日本文学科 教授(特別専任)
2

集中のスイッチを入れる方法は意識からと身体からの2通り

集中のスイッチを入れる方法は意識からと身体からの2通り

本番に向けた「心と身体の整え方」(1)ディテールにこだわる

アスリートたちは本番で力を発揮するために、「準備」と「本番」の2つのフェーズに分けて物事を考えている。「準備」段階ですべきは、本番の状況を細部にわたってシミュレーションしておくこと。そして、本番で「意識が散漫にな...
収録日:2020/09/16
追加日:2021/01/19
為末大
Deportare Partners代表
3

こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は

こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は

「同盟の真髄」と日米関係の行方(7)トランプ氏の評価とその実像

「こりごりだ」「アイ・ラブ・トランプ」…いったいどちらが本当のトランプ評なのか。前大統領のトランプ氏は、過激な発言で物議を醸すことも多かったが、その人柄はどのようなものだったのだろうか。2024年11月アメリカ大統領選...
収録日:2024/04/23
追加日:2024/07/24
杉山晋輔
元日本国駐アメリカ合衆国特命全権大使
4

ポツダム宣言受諾が遅れた理由と昭和天皇の「御聖断」

ポツダム宣言受諾が遅れた理由と昭和天皇の「御聖断」

敗戦から日本再生へ~大戦と復興の現代史(10)ポツダム宣言受諾への道のり

公立大学法人首都大学東京理事長・島田晴雄氏による島田塾特別講演シリーズ。紆余曲折の末、ついに発表されたポツダム宣言とその正式受諾に至るまでの道のりを知る。陸海軍の猛反発にあいながら本土決戦前の降伏を実現したポツ...
収録日:2016/07/08
追加日:2017/08/02
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
5

地政学を理解する上で大事な「3つの柱」とは

地政学を理解する上で大事な「3つの柱」とは

地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か

国際政治を地理の観点からひも解く「地政学」という学問。近年、耳にすることも多くなった分野だが、どのような手法や意義を持った学問であるかを学ぶ機会は少ない。その基礎から学ぶことのできる今回のシリーズ。まず第1話では...
収録日:2024/03/27
追加日:2024/04/30
小原雅博
東京大学名誉教授