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心筋梗塞…注意すべき違和感や予防法は?
心疾患は2019年のデータで日本人の死因第2位となっています(1位は「悪性新生物(腫瘍)=がん)。心筋梗塞を代表とする心疾患ですが、これらは自覚症状がないままに進行し、突然発作に襲われて死に至ることがあります。原因は何なのでしょうか。またどうしたら予防できるのでしょうか。ここでは「心筋梗塞」にスポットを当てて情報を整理してみます。
なぜ冠動脈が詰まるのかということが問題ですが、この主な原因は動脈硬化です。冠動脈の壁にプラークと呼ばれるコレステロールなどの物質が沈着することで、血管が狭くなったり弾力がなくなりもろくなったりします。この状態が、動脈硬化が起きた状態です。つまり、動脈硬化をうまく予防できれば、心筋梗塞のリスクは下がることがわかります。
ちょっとした移動の時、エスカレーター、エレベーターを回避してみるのもいいかもしれません。ただし、大事なことは無理しないこと。無理しても長くは続きません。さんざん言い尽くされている言葉ではありますが「できることを毎日の習慣にすること」。これに尽きるのかもしれません。
左肩に15分程度の違和感があったら要注意
心筋梗塞が起こると、「胸をえぐられるような」と表現されるような激しい痛みが約20分以上続くそうです。こうして病院に運ばれることになりますが、実はもっと早くから初期症状は現れています。一つには、胸部、左肩、左腕などの違和感があるようです。これは血液循環の不良が引き起こすもので、もし左肩に15分程度の違和感があったら要注意とのこと。また、横隔膜を隔てて胃と接していることから、胃の痛みとして現れることもあるそうです。坂や階段で息切れがひどくなったり、胸が痛んだりすることもあります。気になる症状がある人は、念のためにも循環器内科を受診しましょう。原因は動脈硬化
心臓は心筋と呼ばれる筋肉でできており、この心筋を動かす酸素や栄養分などのエネルギーを運ぶため、心臓には「冠動脈(冠状動脈)」が張り巡らされています。この冠動脈が詰まってしまうと心筋にエネルギーが行き届かなくなり、その先の心筋が壊死してしまいます。これによって引き起こされるのが「心不全(心臓の機能不全)」です。なぜ冠動脈が詰まるのかということが問題ですが、この主な原因は動脈硬化です。冠動脈の壁にプラークと呼ばれるコレステロールなどの物質が沈着することで、血管が狭くなったり弾力がなくなりもろくなったりします。この状態が、動脈硬化が起きた状態です。つまり、動脈硬化をうまく予防できれば、心筋梗塞のリスクは下がることがわかります。
動脈硬化予防、塩分摂取量を減らす
動脈硬化によって起きることが多い心筋梗塞ですが、ではどのようにすれば防ぐことができるのでしょうか。まずは食事の改善が考えられます。塩分を控えましょう。血液中に塩分(ナトリウム)が増えると、血圧が上がります。血圧が高い状態が続くと血管の壁は厚く、硬くなります。血圧計などで有名なオムロンによると、「WHO(世界保健機関)では、塩分摂取目標を一律1日5gとしているのに対し、日本人の20歳以上1日平均の塩分摂取量は10.0g」とのこと。厚生労働省の基準では18歳以上男性で8.0g未満、同じく18歳以上の女性で7.0g未満を目標としているようですが、いずれにせよ、日本人は塩分をとりすぎているといえます。動脈硬化予防、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸を減らす
また、脂肪に含まれる飽和脂肪酸と呼ばれる脂肪酸は、血液中の悪玉コレステロールを増やし、動脈硬化を引き起こします。これは肉や乳製品などの動物性脂肪に多く含まれています。また飽和脂肪酸とは異なる不飽和脂肪酸であっても、「トランス脂肪酸」と呼ばれるものは悪玉コレステロールを増やしてしまうそうです。「トランス脂肪酸」は、マーガリン、ショートニングに多く含まれているとのこと。もちろん肉や乳製品は私たちにとって大事な栄養ですが、摂取量には気を付ける必要がありそうです。ミネラル摂取と歩くことは効果的
一方、野菜に含まれるミネラル(カリウムやカルシウムなど)は動脈硬化対策として有効なようです。カリウムはナトリウムの排出を助けるそうです。また、カルシウムの摂取量が少ないと血栓ができやすくなってしまいます。また、マグネシウムは心疾患のリスクを下げるとのこと。カリウムが豊富に摂取できそうな食材はサツマイモやジャガイモ、トマト、納豆やシイタケといったものが考えられそうです。カルシウムは牛乳、小魚や大豆製品や海藻に豊富です。マグネシウムはナッツ類に豊富。ただし、偏った食事は身体に負担がかかります。さまざまなものを少しずつ、バランスよくとるように心がけましょう。あとは適度な運動。なるべく歩くという意識だけでも違うようです。ちょっとした移動の時、エスカレーター、エレベーターを回避してみるのもいいかもしれません。ただし、大事なことは無理しないこと。無理しても長くは続きません。さんざん言い尽くされている言葉ではありますが「できることを毎日の習慣にすること」。これに尽きるのかもしれません。
<参考サイト>
心筋梗塞の予防方法10選!食事や運動が決め手?突然死を防ぐには?|ニューハート・ワタナベ国際病院
https://newheart.jp/blog/archives/241/
心筋梗塞を防ぐには|急性心筋梗塞.com(一般社団法人日本心血管インターベンション治療学会)
http://xn--ymsx5oniia519h1i2a.com/prevent/
心筋梗塞|Doctors File
https://doctorsfile.jp/medication/343/
vol.167 無理なくできる減塩の手引|OMRON
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/167.html
心筋梗塞の予防方法10選!食事や運動が決め手?突然死を防ぐには?|ニューハート・ワタナベ国際病院
https://newheart.jp/blog/archives/241/
心筋梗塞を防ぐには|急性心筋梗塞.com(一般社団法人日本心血管インターベンション治療学会)
http://xn--ymsx5oniia519h1i2a.com/prevent/
心筋梗塞|Doctors File
https://doctorsfile.jp/medication/343/
vol.167 無理なくできる減塩の手引|OMRON
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/167.html
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