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DATE/ 2022.03.28

夜中に足がつる原因と対処法

 寝ているときにふくらはぎに激痛が走って目が覚める、そんな経験をしたことありませんか? 慌てて筋肉を伸ばそうとしてかえって痛みが残ってしまったことがある人もいるかもしれません。運動中に足をつることもあるのですが、なぜ動かずに寝ているときでも足をつってしまうのでしょうか。

なぜ足がつってしまうのか?

 足がつるというのは、筋肉が収縮したまま痙攣を起こした状態になってしまうこと。筋肉は脳からの指令によって伸びたり縮んだりしますが、その調整がうまく効かなくなると縮んだまま戻らなくなってしまうのです。こうしたことが起きてしまう原因は「ミネラルバランスの不足」「冷え」にあると考えられています。

 筋肉の収縮にはカルシウム、カリウム、マグネシウムといったミネラルが大きく関わっています。ミネラルが栄養不足によって不足していたり、汗をかいて排出されたりしてしまうと、筋肉の動きや筋肉を動かす神経の伝達機能がうまくコントロールができなくなってしまうのです。

 また、万病の元ともいわれる冷えも原因となります。冷えは血行不良を引き起こしたり、筋肉が緊張したり、足がつりやすい状態を作ってしまうのです。冬に身体が冷えやすいのはうなずけますが、夏場は冷房が冷えの原因になることも。夏場でも寝るときには足元を冷やさないように工夫する必要があります。

 ちなみに、筋肉に負荷をかけすぎてしまうことも足がつる原因に。筋力が低下しているのに無理な運動をしたり、準備運動をしないで激しい運動をすると起こることがあります。運動中に汗をかいてミネラルが失われるため、より足をつりやすい状態になっているので注意が必要です。

予防のためにできること

 寝ているときに足をつらないようにするには、「ミネラルを補給する」「寝る前に1杯の水を飲むこと」「足を冷やさない」の3つを実践することが大切です。

 ミネラルは人間の体では作れないので、食べものやサプリで補給する必要があります。マグネシウムは海藻類やナッツ類、カルシウムは乳製品や大豆製品、骨ごと食べられる魚など、カリウムは、長いもやさつまいもなどのイモ類、バナナやキウイなどの果実に多く含まれているので意識して摂取するようにしましょう。

 また、寝ているときは予想以上に汗をかくため脱水状態になりやすくなっています。寝る前に1杯の水を飲んで脱水を防ぐようにしましょう。冷たい水は体を冷やしてしまうので、寒い時期には白湯などを飲むのがオススメです。

 冷えを回避するためには湯舟にしっかりつかる、ストレッチをする、靴下を履くなどさまざまな方法があります。冬場には湯たんぽで足を温めるのも効果的です。夏場でも寝るときに冷房をつけっぱなしにするのも冷えの原因になるので、足元を冷やさない工夫をするようにしましょう。

足がつったときの正しい対処法

 足がつることで起こる痛みは一過性のものが多いので、慌てずにゆっくりと筋肉を伸ばすようにしましょう。つま先をもって足の裏とふくらはぎの筋肉をゆっくりと伸ばして、筋肉の収縮をおさめてあげることが大切です。血行を促進するためにふくらはぎをゆっくりなでることも効果的です。

 足をつったと思って急に筋肉を伸ばしてしまうと収縮した筋肉を痛めてしまい、肉離れを起こしてしまうことも。こうなると痛みが持続してしまい、生活に支障を及ぼすこともあるので、「足をつったらゆっくり伸ばす」ということを覚えておきましょう。

くりかえす場合は病気の可能性も

 足をつることは誰にでも起こりえること。その原因と対処法を正しく理解することで、いざというときに備えておくようにしましょう。しかし、寝ているときに度々足をつる場合には糖尿病や腎不全、動脈硬化などの病気が隠れている危険性も。もし異変を感じたら一度医療機関を受診することをオススメします。

<参考サイト>
・こむら返り(足がつる)の原因や症状、対処法は東京メディカルクリニック
https://www.c-takinogawa.jp/column/016.html
・快眠を妨げる睡眠中の足がつる現象の原因とは? - 先生の声│ドクターサーチみやぎ
https://miyagi.doctor-search.tv/voicedetail/MIYAGI-DVOICE-3000002
・こむらがえりはなぜ起こる | 不調改善ヘルスケア | サワイ健康推進課
https://kenko.sawai.co.jp/healthcare/201903.html
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