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DATE/ 2024.11.10

なぜ猫がエンジンルームに?理由と侵入対策

 猫は暖かくて狭く静かなところが大好きです。外で暮らす猫にとって、この全てを備えた場所があります。それが駐車された車のエンジンルームです。体が小さくて柔らかく、狭い場所に入るのが得意なので、車のエンジンルームにもするっと入り込んでしまいます。エンジンルームでなくとも、タイヤとボディの隙間などに入り込むこともあるようです。気づかずにもしエンジンをかけたり、そのまま発進したりしてしまうと、お互いにたいへん辛いことになります。どうしたらいいのでしょうか。

ボンネットの中は動物には居心地のいい場所

 エンジンルームなどは雨風を避けることができます。また駐車場は基本的には人の出入りも少ないので安全です。JAFによるとロードサービスに「エンジンルームに猫が入り込んでしまった」と救援要請が来た件数は2021年1月で21件(全国)あったとのこと。またこのうち、エンジン始動後の要請は明確なものだけで11件だったとのことです。また実際には猫に限らず、ネズミ、へび、イタチ、鳥など、さまざまな動物が車に入り込むようです。

 エンジン始動後だと、そこに潜んでいる動物の命の問題に加えて、車の故障リスクも高まります。特にエンジンルームに入ってしまう猫の9割は仔猫、といったデータもあるそうです。体が小さいことで入り込めてしまうこと、まだ車が動くことを知らないといった原因が考えられます。こういったいたましい事故を防ぐには、車に人が乗り込むときに人間が近くにいることに気づいてもらうことです。

猫バンバン、ホーンを鳴らす

 対策として考えられるのは、まずは車のエンジンをかける前にはボンネットをたたくこと(猫バンバンすること)、また、ホーンを鳴らすことが挙げられます。このようにわざと大きな音を立てて、猫に気づいてもらうことで、事故を未然に防ぐことができます。ただし、たたいて猫が出てこなかったから安心ということではありません。驚いて逆に動けなくなってしまったり、焦って出口が分からなくなっていたり、親猫だけが逃げて子猫が残っているということもあるようです。

 ボンネットをたたいたら、耳を澄ませましょう。もし鳴き声が聞こえたり、何か気配があったりしたら、ボンネットを開けて確認しましょう。また、もし声は聞こえるのにどこにいるか分からないといった場合は、JAFを呼ぶことも一手と考えていいようです。車に乗るとき、普段から猫バンバンを行うようにすると、猫もここは危険だということを認知してその後近寄らなくなります。

車にはカバーを

 また、そもそも猫などの小動物が、車に近づかないようにしておくことも大事です。これに関しては普段から車にカバーをかけることが最も効果があるようです。加えて、動物よけ用の超音波発生装置を設置する、スプレーなどの市販の忌避剤を散布しておく、といったことも対策として有効です。これらを合わせ技で使うとより効果が高くなります。ガレージにシャッターがついている場合はもちろん閉じておきましょう。

 それでももし事が起こってしまったら、JAFに救援要請する、ディーラーや修理工場に連絡するといった対応をとりましょう。無理に走り続けるのは故障の元です。まずはとにかく、駐車した車には猫などの動物が入っているかもしれないということを頭の片隅に置いておくことが大事です。またこれは寒い冬に限りません。この意識だけで事故は未然に防ぐことができます。猫バンバンは特に手間も準備も要りません。お互いのために、ぜひ習慣づけておきましょう。

<参考サイト>
[Q] 猫がエンジンルームに入ることを知っていますか?|JAF
https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-trouble/subcategory-prevention/faq256
猫がクルマに入り込んでしまったトラブル1カ月で21件! 2月22日の猫の日に、猫に関するトラブルへの注意喚起を実施|JAF
https://jaf.or.jp/common/news/2022/20220222-001
猫を車に来させない!猫よけ対策の3つの基本と有効なグッズ|norico by Gulliver
https://221616.com/norico/cat-car/
猫バンバンとは?ボンネット・エンジンルームの猫対策|ZURICH
https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-nekobanban/
「猫バンバン」だけじゃダメ! JAFが呼びかけ「猫が車に入り込んだことによるトラブル」の救援要請件数は1か月で22件|くるまのニュース
https://kuruma-news.jp/post/352564
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