高層ビルの上についている「赤いランプ」は何か
夜、街を見上げた時に、高層ビルやマンションの屋上に「赤いランプ」が灯っているのを見かけたことはありませんか。実はこれは「航空障害灯」といい、空の安全を守るためになくてはならないものです。
今回はこの「航空障害灯」について解説します。
航空法により、地表または水面から60m以上(付属するアンテナ、避雷針なども含む)の高さを持つ物件への設置・管理が義務づけられており、特に夜間は常時点灯することとしています。空の安全に関わることですので、故意による消灯はもちろん、故障や電池切れによる消灯も法令違反となります。
ランプの色は赤か白で、その明るさや設置場所については、細かな基準が定められています。
・「低光度航空障害灯」(赤色の不動光)
・「中光度赤色航空障害灯」(赤色の明滅)
・「中光度白色航空障害灯」(白色の閃光)
・「高光度航空障害灯」(白色の閃光)
光度とは、その名の通り光の強さ(単位:cd=カンデラ)のことです。通常、高い物件ほどより光度が高い航空障害灯を設置する必要があります。
また物件の幅、周囲の状況、環境によっても使用できる航空障害灯が異なり、設置基準は航空法で厳格に決められています。航空障害灯の設置については諸々の条件が重なることが多いため、設置の際は前もって専門家が調査を行うようです。
以下ではごく一般的な基準例をもとに、各航空障害灯についてご紹介します。
「中光度(赤色・白色)航空障害灯」と「高光度航空障害灯」は、主に150m以上の物件に設置します。(物件の形状によっては150m未満の高さでも「中光度~」を設置する場合があります。)
「中光度~」の光の強さは1,600cdが一般的で、通常は赤色で明滅する「中光度赤色航空障害灯」を設置します。つまり同じ赤い光でも、ぼや、ぼや、と繰り返し光るのは「中高度」、ずっと点灯したままなのが「低高度」の航空障害灯です。
ただ高い建物が多い都心でこの基準に沿って設置すると、街中が赤色の光で染まってしまいます。特に東京タワーのように、赤白のしま模様の塗装(昼間障害標識)がされた物件は、赤い光によってかえって目立ちにくくなりかねません。
そこで、昼間障害標識の物件など条件に合うものに関しては、赤色の代替として白色の「中光度白色航空障害灯」を設置してもよい、ということになっています。逆に言えば「中光度白色航空障害灯」を設置できるのであれば、物件の塗装色は何色でもOKです。
白色の場合、点滅ではなく常時点灯させる必要がありますが、赤よりも白のほうが街の景観にもなじみやすいため、煙突など細長い形状の物件の多くは、この「中光度白色航空障害灯」を採用しているようです。
そして、より高い建物に設置する「高光度航空障害灯」は、光の強さは1,500cdから250,000cdまであり非常に明るく、色は白色となります。東京スカイツリーはこの「高光度航空障害灯」が備わっているため、塔体を赤白に塗る昼間障害標識を免除されています。
以上、「赤いランプ」の正体である航空障害灯について簡単に解説しました。
ランプの光が赤か白か、また持続点灯しているか点滅しているかで、高さが分かるようになっているのですね。みなさんも夜景を見る時などは、パイロット目線で少し気にしてみてはいかがでしょうか。
今回はこの「航空障害灯」について解説します。
航空障害灯とは
航空障害灯とは、飛行機やヘリコプターなどが飛行中、建物やクレーンなどの障害物に接触しないよう、建物の目印として点灯、あるいは明滅させるランプのことです。航空法により、地表または水面から60m以上(付属するアンテナ、避雷針なども含む)の高さを持つ物件への設置・管理が義務づけられており、特に夜間は常時点灯することとしています。空の安全に関わることですので、故意による消灯はもちろん、故障や電池切れによる消灯も法令違反となります。
ランプの色は赤か白で、その明るさや設置場所については、細かな基準が定められています。
航空障害灯の種類
航空障害灯は、おおまかに次の4種類に分けられます。・「低光度航空障害灯」(赤色の不動光)
・「中光度赤色航空障害灯」(赤色の明滅)
・「中光度白色航空障害灯」(白色の閃光)
・「高光度航空障害灯」(白色の閃光)
光度とは、その名の通り光の強さ(単位:cd=カンデラ)のことです。通常、高い物件ほどより光度が高い航空障害灯を設置する必要があります。
また物件の幅、周囲の状況、環境によっても使用できる航空障害灯が異なり、設置基準は航空法で厳格に決められています。航空障害灯の設置については諸々の条件が重なることが多いため、設置の際は前もって専門家が調査を行うようです。
以下ではごく一般的な基準例をもとに、各航空障害灯についてご紹介します。
航空障害灯の設置基準
「低光度航空障害灯」は、60m~150m未満の物件に設置され、光の強さは10cd~150cd。光の色は赤色で明滅はせず、夜の間は点灯を継続(不動光)します。「中光度(赤色・白色)航空障害灯」と「高光度航空障害灯」は、主に150m以上の物件に設置します。(物件の形状によっては150m未満の高さでも「中光度~」を設置する場合があります。)
「中光度~」の光の強さは1,600cdが一般的で、通常は赤色で明滅する「中光度赤色航空障害灯」を設置します。つまり同じ赤い光でも、ぼや、ぼや、と繰り返し光るのは「中高度」、ずっと点灯したままなのが「低高度」の航空障害灯です。
ただ高い建物が多い都心でこの基準に沿って設置すると、街中が赤色の光で染まってしまいます。特に東京タワーのように、赤白のしま模様の塗装(昼間障害標識)がされた物件は、赤い光によってかえって目立ちにくくなりかねません。
そこで、昼間障害標識の物件など条件に合うものに関しては、赤色の代替として白色の「中光度白色航空障害灯」を設置してもよい、ということになっています。逆に言えば「中光度白色航空障害灯」を設置できるのであれば、物件の塗装色は何色でもOKです。
白色の場合、点滅ではなく常時点灯させる必要がありますが、赤よりも白のほうが街の景観にもなじみやすいため、煙突など細長い形状の物件の多くは、この「中光度白色航空障害灯」を採用しているようです。
そして、より高い建物に設置する「高光度航空障害灯」は、光の強さは1,500cdから250,000cdまであり非常に明るく、色は白色となります。東京スカイツリーはこの「高光度航空障害灯」が備わっているため、塔体を赤白に塗る昼間障害標識を免除されています。
以上、「赤いランプ」の正体である航空障害灯について簡単に解説しました。
ランプの光が赤か白か、また持続点灯しているか点滅しているかで、高さが分かるようになっているのですね。みなさんも夜景を見る時などは、パイロット目線で少し気にしてみてはいかがでしょうか。
<参考サイト>
・航空障害灯及び昼間障害標識の設置及び届け出方法(国土交通省)
https://www.cab.mlit.go.jp/tcab/aerial_beacon/01.html
・航空障害灯システム(TOSHIBA)
https://www.tlt.co.jp/tlt/products/obstruction_heliport/o_lightning.htm
・航空障害灯(日本光機工業株式会社)
https://www.nipponkoki.co.jp/products_cat/obstacle-light/
・航空障害灯の設置基準(日本光機工業株式会社)
https://www.nipponkoki.co.jp/installation_criteria/
・航空障害灯及び昼間障害標識の設置及び届け出方法(国土交通省)
https://www.cab.mlit.go.jp/tcab/aerial_beacon/01.html
・航空障害灯システム(TOSHIBA)
https://www.tlt.co.jp/tlt/products/obstruction_heliport/o_lightning.htm
・航空障害灯(日本光機工業株式会社)
https://www.nipponkoki.co.jp/products_cat/obstacle-light/
・航空障害灯の設置基準(日本光機工業株式会社)
https://www.nipponkoki.co.jp/installation_criteria/