岩盤既得権・規制分野の成長可能性
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岩盤既得権・規制分野の成長可能性(2)エネルギー
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
福島第一原発事故の影響により、深刻なエネルギーの状況下にある日本。現在、原発再開と代替エネルギー開発に向けて動き出しているが、課題は大きい。では、どうすればいいのか。その具体的方策を提示していく。(島田塾第109回勉強会 島田晴雄氏講演『日本経済は果たして、どこまで成長出来るのか』より:全14話中10話)
時間:12分34秒
収録日:2014年1月14日
追加日:2014年3月20日
≪全文≫

●深刻なエネルギー状況


今、日本は深刻なエネルギー状況です。原発はこれまで54基あったのですが、現在は48基で、一つも動いていません。
高度成長時代には、原発が電力の30パーセントを提供しており、それにより経済成長を遂げました。今は化石燃料に依存しているので、エネルギーの輸入額は年間で3.3兆円増え、貿易赤字は、2012年の6.9兆円からとうとう12兆円になります。稼いでも稼いでも足りないのです。これからどうなるのでしょう。
赤字の原因が全てエネルギーというわけではないのですが、国民は、原発再開にはとても疑念を持っています。それは、「原発マフィア」という人が嘘をついて安全神話を作り上げていたからなのです。「日本の原発は安全で、最高の技術をもち、管理は最強である」ということが全くの嘘であったと、福島第一事故で見えてしまいました。
だから国民は絶対に信じないのです。例えば、堤防が低かったこと。情報共有システムが不在だったこと。訓練していなかったこと。ロボットの開発がストップしていたこと。これらは全部、人災ではないでしょうか。そのことに国民は気が付いたのです。

●原子力規制委員会の安全基準


では、どうしたらいいのでしょう。自民党政権は原発を再開したいのです。再開しないと危ないですからね。ただ、私は原発をずっと再開したほうがいいとは思いません。30基くらいを動かしながら自然エネルギーがどんどん発達してきたら、可能な限り早く自然エネルギーで原発分を減らしていかなければいけません。そうしないと国が成り立たなくなります。
ところが、どういうことになっているかというと、一昨年の9月に原子力規制委員会が出来て、昨年の7月8日に原子炉規制法が改正されました。つまり、すべて専門家に任せましょうということになり、そこで、断層があるのかないのか、原発をストップしていいのかいけないのか、という議論を行っているというわけです。
皆さんは原子炉規制法というものを読んだことがありますでしょうか。とても厚いもので、エッセンスを読みましたら、〝シビア・アクシデント・ロー〟という規定がないのです。つまり、想像を超えた重度災害は想定されていなかったということです。だから今回は、それを想定しましょう。そして規制は一元化しましょう。Back Fit(バックフィット)、すなわち昔の法律が決めていて...

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