岩盤既得権・規制分野の成長可能性
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
医療改革の提案―情報公開、自由診療、民間保険の開放
岩盤既得権・規制分野の成長可能性(3)医療
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
かつて日本は、世界一医療費の低い優秀な医療国だった。しかし高齢化や技術の高度化などにより、数多くの問題を抱えることとなった日本の医療。改革のためには何をすべきか。具体的な問題点を挙げながら、方策を講じていきたい。(島田塾第109回勉強会 島田晴雄氏講演『日本経済は果たして、どこまで成長出来るのか』より:全14話中11話)
時間:8分06秒
収録日:2014年1月14日
追加日:2014年3月20日
≪全文≫

●優等生から劣等生に


それから医療の話ですが、日本の医療はかつて、とても優等生でした。
国民皆保険、皆医療で、健康保険証1枚あれば、どの医療機関にも行けるのです。そして、国民の医療費は、世界の主要国の中で一番低く、平均寿命は世界一、という立派な国でした。
しかし、今の医療はどうなっているかというと、メガトレンドが変わり、ひどくなってしまったのです。
高齢化によって社会的費用が増え、技術の高度化によって高額医療もどんどん増えました。また、低成長によって国民は担税力をなくしてしまったのです。
医療問題が非常に深刻化したことで、医療財政が破綻を起こしました。日本の医療機関としては1万の病院と10万の診療所がありますが、その経営は8割が赤字です。しかも、3時間待って3分医療、たらいまわし、医師の不在、とサービスも悪く、また、地方にいったら、高度な医療は受けられません。なぜこんなことが起きたのでしょうか。

●政府の対応の誤り:価格規制と数量規制


私の分析では、原因は政府の対応の誤りです。政府が、これは大変だということで、価格規制と数量規制をしたのです。
価格規制としては、診療報酬制度というものがあります。この医療は何点と全部決められているので、動かせません。こういうことをやっていますと、どんどん点数を下げていきますから、創薬産業は衰退してしまいます。今唯一動けそうなのは武田さんで、あとはもうダメですね。
また数量規制としては、ベッド数、医師数、パラメディカルスタッフなどを全部規制するというものです。
ただ、数量を規制したら価格を自由にする、あるいは価格を規制したら数量を自由にする、ということであれば、市場機能は生きてくるのです。
しかし、両方つぶしたら、市場機能はもちろん、誰も生きていけないだろうということで、何をやっているのだというのが今の状況です。
役人の中には素晴らしい人もいらっしゃいますが、組織としてトータルで考えて、こういうことになってしまったわけです。なぜか知りませんが、これは大間違いです。

●改革の提案 (1)情報化の強化


では、どうすればいいのでしょうか。いくつか申し上げますが、それを行うと日本の医療は目覚ましく良くなります。
一つ目ですが、診療報酬制度の改革です。現在、診療報酬制度にはコスト情報は入っていますが、アウトカム情報は入っていませ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
国際地域研究へのいざない(1)地域研究の意味とイスラエル研究
なぜ経済学で軽視されてきた「地域研究」が最高の学問なのか
島田晴雄
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(12)自転車の青切符と「法と自粛」
【10minで考える】自転車の青切符と「法と自粛」
テンミニッツ・アカデミー編集部
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
『「甘え」の構造』への誤解…甘えはダメなものなのか?
與那覇潤
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(5)ゴールドや暗号通貨への評価
ゴールドやビットコインへの評価は?…現代社会の写し鏡
養田功一郎
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(2)厳格な一神教と選民思想
一神教とは、選民思想の真相とは…ユダヤ教の「最終目的」を考える
鶴見太郎
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博