●ストレス、疲労はテストステロンの大敵
では、テストステロンをどうやって高めるかです。
まず、テストステロンが減る原因はというと、テストステロンは、精巣、睾丸から出てくるのですが、実は脳がつくれと指令を出しています。ところが、いろいろなストレスがかかってくると、睾丸はこのホルモンをつくらなくなってしまう。人間は、交感神経が刺激され、緊張したりすると、危機に対して戦うか逃げるかになります。テストステロンは、どちらかというと、余裕があるときに登場するホルモンなので、シャットダウンしてしまいます。
あるいは、疲労とテストステロンの値にも、こういった関係があります。疲労していると、ホルモンの値は低くなる。あるいは、ホルモンが高い人は、疲労度が少ない。これはいろいろな見方があると思いますが、こういう風に関係していると言われています。
交感神経が働く、つまりいろいろなストレスがずっと慢性的にある状態だと、テストステロンは下がってきます。先述のとおりテストステロンが減少する一番大きい理由は、やはり心のストレスです。
画面は、ちょっと浮かない顔をしている人の写真です。ただ、人間こういうことを完全に回避するのは不可能です。ですから、こういうことがあった場合には、やはり大きく豪快に笑っていただくことが非常に大事です。高度成長時代の植木等さんのような朗らかな笑いが、実はテストステロンを上げるともいえます。
また、ここでいうストレスは、メンタルなものだけでなく、例えば、パソコンを夜遅くご覧になるとか、あるいは携帯電話、または家の中の電気もストレスです。おそらく、皆さんのご自宅にもLEDが結構お部屋にあって、夜も非常に明るいこともあると思いますが、これはテストステロンがどんどん減っていきます。
アメリカの家に行くと、行燈のようなものがあって、全般的に暗いです。空港なども暗いですが、特に男性は、基本的に、暗くて臭い所がいいです。暗くて、なんとなく暖かくて、臭い所。これがいい。逆にいうと、明るくて無味無臭、乾燥した所は、テストステロンが下がっていってしまいます。
また、いろいろなリラクゼーションや、鍼灸、お灸、気功、ヨガといった昔からされているものの中には、テストステロンを上げるツボなどもあります。昔からされているものは、やはりそれなりに理由があるということだと思います。
●運動、睡眠、色、食事にも効果がある
それから、やはり何と言っても運動です。筋トレでもいいですし、ジョギングや自転車などの有酸素運動でも、なんでもいいです。運動は何であれテストステロンを上げます。
そして、睡眠が非常に大事です。先ほど、テストステロンは朝に最も高く、夜に最も低いと申し上げましたが、寝ている間に回復してくるのです。ちょうど丑三つ時あたりに一番テストステロンがガーッと上がってくるので、眠れないとテストステロンも上がれないのです。ですから、深く眠ることは非常に大事です。
色も大事です。赤い色はいいです。カカ選手が所属していたイタリアのサッカーチームACミランのユニフォームは赤でした。史上最高例の80歳でエベレストに登頂した三浦雄一郎さんのジャケットも赤です。
赤い色の効果には統計があって、赤いユニフォームのサッカーチームは、ホームでの勝率が高いのです。例えば、日韓合同ワールドカップ(2002年)で、日本と韓国が対戦した時、韓国チームは真っ赤なユニフォームを着て、スタジアム中が全部真っ赤になって、すごいことになっていました。そしてホームでは勝ちました。赤はテストステロンを分泌させます。牛(闘牛)もそうかもしれません。
ちゃんちゃんこも赤いです。赤いちゃんちゃんこを着て電車に乗る人はあまりいないと思います。あれは家の中で着るものですが、テストステロンは、なぜか分からないのですが、ホームで非常に上がると言われています。
食事もあります。よく言われているのは、カキのような亜鉛の濃度とテストステロンは関係があると、一応、言われてはいます。また、ニンニクもそう言われます。ただ、ニンニクは、一緒に食べるものが影響します。タンパク質があまり多くない食事だと、ニンニクを食べてもテストステロンの量はあまり変わりません。タンパク質と一緒にニンニクをとると、がっと上がります。ですので、例えば、カツオのたたき、ステーキなどは良いです。逆に、ニンニクだけをかじってごはんを食べても、あまり意味はないということになります。
例えば、私のところに来られた人で、こういう人がいました。61歳、単身赴任20年。高血圧、高コレステロールで、性機能が少し衰えてこられて、男性の場合は朝立ちという現象がありますが、それがもう全くないという人でした。
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