前立腺がんの治療・予防の最前線
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男性のがんの中で先進国ではナンバーワン、日本でも急増中
前立腺がんの治療・予防の最前線
堀江重郎(順天堂大学大学院医学研究科 特任教授)
今、日本で最も増えているがんは、前立腺がんである。それはなぜなのか。予防するにはどうしたらよいのか。現在はどのように治療しているのか。前立腺がんの治療・予防の最前線を泌尿器科医・堀江重郎氏が解説する。
時間:15分19秒
収録日:2014年5月2日
追加日:2014年8月7日
カテゴリー:
≪全文≫

●前立腺は、尿を切ると同時に精巣を守る免疫器官


 皆さん、こんにちは。順天堂大学の泌尿器科医、堀江重郎です。

 今日は、前立腺がんについてお話しします。これをご覧いただいている方の中には、ひょっとしたらご自身が前立腺がんになっているかもしれないと思われている方、あるいは現在治療されている方、血液検査などで前立腺がんの危険があると言われた方、ご家族に前立腺がんの方がいらっしゃる方など、さまざまな理由で心配な方が多いのではないかと思います。そこで今日は、前立腺がんを心配しなければいけない人とそうでない人についても含めて、広く前立腺がんの治療と予防の現状と将来についてお話ししたいと思います。

 日常、われわれは大きく息を吸って肺の存在を意識したり、ご飯を食べて胃を意識したり、便をすることで直腸を意識したり、おしっこが溜まることで膀胱を意識しますが、男性が前立腺という臓器の存在を感じることはなかなかありません。前立腺を感じるとすれば、尿の最後を振り切るときです。このとき前立腺がきゅっと収縮して、尿を最後に出し切るために働いています。

 前立腺は半分が筋肉、そして半分は甲状腺や副腎と同じような内分泌の機能を持っている非常に特殊な臓器です。体の一番深いところにあって、尿の切れの他に、もう一つ大きな作用があります。人間の男性だけでなく哺乳類のオスは全部そうですが、おしっこを出すところと精液を出すところが最終的に一緒になっています。非常に省エネタイプになっているわけです。この尿を出すところにばい菌が入ってきた場合、うっかりすると、精子を作る精巣まで侵入してしまうかもしれません。前立腺はこれを守るための免疫器官としても働いていると考えられています。

 こういった原始的な免疫器官としては他に、喉にある扁桃腺があります。特に子どもの頃は口からさまざまな病原菌が入ってくる可能性があるため、扁桃腺がそれをブロックして、肺や胃や腸に行かないようにしています。前立腺は扁桃腺と同様に、次世代にDNAを伝えるために非常に重要な器官である精巣を守るために、精巣より下流にある部位でいろいろな病原菌を殺菌する機能を持っているのです。実際、前立腺から分泌される前立腺液には非常に高い殺菌効果があることが分かっています。

●脂肪摂取量が多いと、前立腺がんの危険が高まる


 ところで、この前...

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