●ステロイド系の飲み薬は肝臓を悪くする
―― エナルモンなど錠剤のホルモン剤は、効果があるのではないでしょうか?
堀江 あれは肝臓で、飲み薬は、肝臓に行くと、肝臓を悪くするのです。そういうことで、一応僕らは使いません。
―― でも、デポ剤は使っているのですよね。
堀江 デポ剤は、注射だと肝臓に行かないのです。いま私も、飲み薬で肝臓に行かないものを、アメリカの会社と共同研究していますが、結構難しいです。
―― ステロイドで腎代謝のものをつくればいいということですね。
堀江 そうですね。おっしゃるとおりです。
―― そうしたら、売れるでしょう。
堀江 売れます。爆発的に売れます。
●ある程度のコレステロールが必要
―― カキがいいという話がありましたが、一般の食事で、カキ以外で、テストステロンを高めるためにはどうすればいいでしょうか?
堀江 テストステロンはコレステロールからつくりますので、コレステロールが全く入ってない食事を召し上がっていると、テストステロンは下がってしまいます。野菜にもコレステロールはありますが、毎日野菜だけで、全くお肉と魚を食べないと、やはり下がります。
ただ、何の食べ物を、というのはよく聞かれるのですが、何を食べるかよりも、ラーメンでもいいので、皆で食べると上がります。若い人などと話しながら、アドバイスを与えながらラーメンを食べると、ぶわーっとテストステロンは上がります。ただし、言われた方は下がります。
●バイアグラは、体のさびを取ってくれる
―― バイアグラがテストステロンを上げるとおっしゃられていましたが、どのような仕組みで上がるのでしょうか?
堀江 いま、バイアグラと似たようなものに、自費ですがシアリスがあります。保健薬では、前立腺肥大者の薬でザルティアというものもあります。毎日飲むのですが、保険でカバーするので、バイアグラは1錠2000円ぐらいしますが、そのザルティアは1錠30円か40円ぐらいです。これらは皆、同じように効果があります。
これらの薬は、一言でいうと、さびを取る薬なのです。「活性酸素」ということをお聞きになった人もあるかもしれませんが、年をとっていくと、体を構成しているいろいろな分子が、一言でいうと、酸化します。リンゴの切り口が茶色くなるように、酸化していきます。例えば、加齢臭と言いますが、あれは酸化した油の臭いなのです。逆に赤ちゃんはいい匂いがします。あれは、全くさびていないので、いい匂いがするのですが、おじさんになってくると、クローゼット開けると臭いのは、これは油が酸化してくるからです。
その酸化したものを取る作用が、バイアグラやそのグループにあるのです。ですから、それが、ホルモンを上げるだけでなくて、動脈硬化を改善するとか、いろいろな方面に活躍しているということです。
●きげんよく暮らすことの効能
―― 例えば10歳くらい年齢を若く言うとテストステロンが上がると聞いたことがありますが、本当でしょうか?
堀江 坪田一男先生とは、僕は非常に仲良しで、一緒に同じアンチエイジング学会というのをしていますが、坪田先生は「ごきげん」ですよね。「ごきげん」ということはすごく大事なのだろうと思います。
年齢を若く言うのはどうでしょうか。ただ、よく運動をしていると、代謝が高まってきます。いま、体重計でいろいろな数値が出てきて、代謝年齢というような項目のあるものもあります。そういう数値が実年齢より低いと、やはりいいのではないでしょうか。
●女性も長寿の人は、男性ホルモンが高い
――(女性) 男性の場合、男性ホルモンが高いと長生きすると聞きましたが、女性の場合はどうなのでしょうか? 私は、いま更年期で、女性ホルモンを投与しているのですが、それは女性ホルモンを高めることは大事なのでしょうか。ほてりや骨粗しょう症とかはどうですか。
堀江 女性も、長生きしている女性は、男性ホルモンが高いです。ただ、先ほどのような、例えば何万人という人を、よーいドンでずっとフォローしたデータは、まだありません。おそらく高い人の方が長生きするかもしれません。
女性ホルモンを高めることも大事です。やはり女性ホルモンを投与した方が、いろいろと。骨にもいいですね。
●男性ホルモンが高くて悪いことはない
―― 男性ホルモンが高すぎる弊害はあるのでしょうか?
堀江 男性ホルモンが高いことの弊害ですか。そうですね、おそらくないのではないでしょうか。あえていえば、リスクをとってしまうことが弊害になるかもしれませんが、健康面では多分ないと思います。
―― 度が過ぎると何か逆の反作用があるかと思ったのですが、大丈夫ですか。
堀江 うーん、そうですね。医学的には、悪さをするというこ...