●同日選挙と消費税増税先送りは異なる話
北海道5区と京都3区(自公にとっては不戦敗ということになるが)の補欠選挙が何を意味するかというと、同日選挙があるのか、あるいは消費税増税は行うのか先送りなのかという判断と関係するということです。そういう意味でいうと、北海道5区の選挙結果というのはなかなか解釈が難しいのですが、当初は町村信孝さんの後継である娘婿、和田義明さんが圧勝と言われていました。しかも、弔い選挙ですので圧勝のはずだったのに、シングルマザーの池田真紀さんに追い上げられました。世論調査によって、途中で野党候補の方が強かったという数字も出ているわけです。ですが、最後の1週間というのは、実は熊本地震と関係がありました(5区補選投票日4月24日、熊本地震発生4月14日)。ある新聞の報道によれば、これは有権者が峰打ちを自民党、公明党に与えたというのです。負けてはいない、だけどダメージは食らっていると。
一つの判断材料として、この補選の結果で衆参同日選挙、つまり衆議院解散をするのかしないのかという議論がありますが、実はそれよりも補選の結果が出る前から言われていたのは、よくよく考えてみると、衆参同日選挙と消費税の先送りは分けて考えた方がいいのではないか、ということです。これをワンセットで考えるから同日選挙ということになるのですが、これを分離して考える、つまり同日選挙と消費税増税先送りは異なる話だということが、自民党はじめマスコミからもかなり出てきたのです。今のところ、衆参同日選挙はまだ最終決断はされていないのですが、可能性は低くなったという判断が出てきています。
●衆参同日選挙にしたい理由
そこで、よくよく考えてみると、何のために同日選挙をしたいと思ったのかといえば、当然のことながら同日選挙をやれば投票率も上がるだろうし、議員も一生懸命やる。特に与党側からいえば圧勝する可能性が高い。単独でやる選挙に比べたら圧勝する可能性があるということです。しかし、安倍晋三さんは「憲法改正をする」という発言を何度も繰り返していますが、憲法改正には衆議院、参議院それぞれ3分の2の賛成が必要です。ですから同日選挙ということになるのです。
ですが、憲法改正の中身に関していえば、憲法9条を改正の俎上に載せるということは言っていないわけです。現実には憲法審査会というとこ...