ヒューマン・ライツ・ウォッチ
この講義シリーズの第1話は
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
日本は外国に比べ、施設で暮らす子どもが多すぎる!
ヒューマン・ライツ・ウォッチ(3)子どもの人権問題
土井香苗(国際 NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチ 日本代表)
日本の人権状況は世界約200カ国の中ではいい方だが、日本政府は人権問題に何も対応していないと考える国も多いと、「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」日本代表・土井香苗氏は指摘する。2014年の調査報告書『夢がもてない──日本における社会的養護下の子どもたち──』が伝える日本の子どもの現状と、子どもの「家族と暮らす権利」の枠組み改善に向けた法律改正への動きを、土井氏がレポートする。(全3話中最終話)
時間:13分38秒
収録日:2016年3月3日
追加日:2016年6月26日
カテゴリー:
≪全文≫
●「夢が持てない」日本の子どもの人権問題

 もう一点、日本の人権問題についても少しお話ししたいと思います。日本の人権状況は、全世界約200カ国の中で比較すれば良い方だと言えます。そういう意味では日本が、「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」にとっての人権課題国として特に注目度が高い国というわけではありません。日本は、「人権状況が悪い」ということではなく、「人権についてポジティブなレバレッジを効かせることができる国である」という意味で注目を浴びているのです。

 ですが、人権問題が日本にないわけではありません。日本でも、量的にそう多くはありませんが、ヒューマン・ライツ・ウォッチとしての調査、アドボカシー活動をしています。『夢がもてない──日本における社会的養護下の子どもたち──』(全89ページ)は、ヒューマン・ライツ・ウォッチの東京事務所ができて以来初めてとなる調査報告書として、約2年前の2014年5月に発表されたものです。これは、血のつながった実の親と暮らせていない子どもたちの人権状況を調べた調査報告書です。日本では、そういった子どもたちの約9割近くが児童養護施設や乳児院といった施設で集団生活をしています。

 ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査報告全てに共通することとして、こうした実態を調査した上で、その実態が国際法に適合しているのか違反しているのかを認定し、国際法違反の場合には、適合させるためにどんな政策の変更が必要かを提言しています。

 実際に日本の親と暮らせない子どもたち約4万人の状況を調べたところ、国連の「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」に違反している部分がかなり多くありました。中でも、最も違反の度合いが突出していると考えられる部分が、このデータに現れているように、子どもの「家族と暮らす権利」の侵害度合いです。


●子どもの貧困と「家族と暮らす権利」


 子どもは、学校に通う権利や暴力を受けない権利など基本的な権利をいくつか持っていますが、そのうちの一つに「家族と暮らす権利」があります。独りぼっちにされたり1人でどこかの集団に放り込まれて放置されるようなことがなく、特定の大人がいて、その人が親としてその子どもを幸せにする。一貫して愛情を持ち、原則としては一生の関係を持つということです。そういった特定の大人との安定した濃密な関係を持つことに...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(2)「出挙」と国司の仕事
地元の有力者の力を借りるために大伴家持が詠んだ歌とは?…今も奈良時代も変わらない中央官僚と地元有力者の関係
上野誠
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
編集部ラジオ2026(36)宮脇淳子先生「満洲史」講義の要点
【10min解説】「満洲史」はタブー?…そこから見えてくる教訓とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎