モスクワ国際安全保障会議
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
テロ拡大を放置すれば世界大戦を招きかねない―デフガーン
モスクワ国際安全保障会議(4)イラン・シリアの主張
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
G7と中ロでは、シリア内戦への見方は正反対だ。伊勢志摩サミットといわばネガポジの議論が展開された「第5回モスクワ国際安全保障会議」で、当のイラクとシリアの代表は何を語ったのか。「誰が悪いか」の議論を超えて今、世界は何を考えなければならないのかを静かに見つめる歴史学者・山内昌之氏の目が捉えた中東の現在。(全4話中最終話)
時間:9分07秒
収録日:2016年5月9日
追加日:2016年7月7日
カテゴリー:
≪全文≫

●イランの主張(1)中東複合危機の「世界大戦」化に対する警告


 皆さん、こんにちは。「第5回モスクワ国際安全保障会議」のお話を続けていますが、特に重要なのはイランの国防大臣とシリアの国防大臣の発言であったと思います。

 イランからは、ホセイン・デフガーン国防軍事大臣が出席しましたが、デフガーンは、イランとロシアが共通のテロ対策を採り、中東でのテロ拡大の阻止に成功したという点で、イランの参加こそロシアにとっても大変重要な結果をもたらしたと語りました。デフガーンの発言で興味深いのは、「今やコーカサス(カフカース)、中央アジア、中国へテロが波及し拡大している」という指摘でした。すなわち、テロは今や、シリア、イラク、アフガニスタン、イエメン、北アフリカ各国、そして、リビア、ヨーロッパに集中して起き、そしてそこで発展している、という認識でした。

 こういう意味において、現在シリアは、他の国々と違って、外国からの介入や干渉を実力で粉砕し、阻止しようとしている。こういう点でシリアは注目すべきことだと、シリアを援助しているイランの国防大臣は述べたわけです。現在起きている状況をそのまま放置すれば、それはグローバルな戦争、すなわちグローバルウォー(あえて訳せば世界大戦)をもたらすかもしれないというのです。したがって、私がこの間、書物やこの10MTVでもお話ししたように、世界が第三次世界大戦に向かう危険性があるという認識と似たものを、イランの国防大臣であるデフガーンは持っているということです。


●イランの主張(2):元凶は米欧各国、サウジ、シオニスト


 このように全世界は不安の下にあるわけですが、こうなったのも、元はといえば、ロシアに対して制裁を加えた各国、最近では今年(2016年)1月にシーア派の指導者を処刑することによってイランとの関係を劇化させたサウジアラビアにこそ責任があると、デフガーンは指摘しました。また、これに対してイランは、人道的な危機を一貫して援助し、既に今日あるような危機や悲劇を予測し警告していたではないか、と。つまり、シリアにおいてアサドは悪くない、アサドを攻撃すれば必ずテロ勢力が伸びてくると警告していたではないか、と言いたいわけです。

 また、彼らイラン人は「シオニスト」あるいは「シオニスト組織」という言葉を用います。これは言うまでもなく、イ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(2)開国の是非と将軍継嗣問題
「尊王攘夷か佐幕か」…天皇絶対主義に結びつく厄介な問題
山内昌之
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
日本人が知らない自由主義の歴史~前編(1)そもそも「自由主義」とは何か
消極的自由と積極的自由?…なぜ自由主義がわかりづらいか
柿埜真吾
組織心理学とは何か~『武器としての組織心理学』と概論
なぜ組織に「心理学」が必要か?多様化と個の時代の処方箋
山浦一保
「ホメロス叙事詩」を読むために(5)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
老子の神髄(7)『老子道徳経』「去用第四十」
緊張や怒りをコントロールするには?老子に学ぶ精神と肉体の関係
田口佳史