「r2D4」インド洋を潜る
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あわや調査中止!? 困難を乗り越えて
「r2D4」インド洋を潜る(2)危機一髪
浦環(東京大学名誉教授/株式会社ディープ・リッジ・テク代表取締役)
九州工業大学社会ロボット具現化センター長・浦環氏が語る「r2D4インド洋を潜る」。複雑な海底地形、困難な潜航計画、そして立ちはだかる壁。この回では、この調査で最大の危機となった大きな困難との遭遇が語られる。(全3話中第2話)
時間:12分13秒
収録日:2016年5月17日
追加日:2016年10月5日
≪全文≫

●潜航計画は、海底地形図の入手から


 まず、r2D4がどれだけ潜ったかですが、この広い海の中で1回に最大60キロメートル、せいぜい50キロメートルほどしか潜っていないので、そんなに多くは潜っていません。ここでテストして、ここで何回か潜って、ここは1回だけ潜りました。同時にいろいろな調査をしています。

 このようなところに行くときに、われわれは何を考えて行くかというと、いろいろ準備をします。まず、できるだけ詳細な海底地形図がなければなりません。そして、何のために潜航するかという潜航目的をクリアにして、ロボットの性能に応じて何ができるかを計画します。それから、重要なのは、何らかの理由でロボットが途中で潜航を中断した場合にも、きちんと一定の成果が得られること。つまり、潜航が最初から最後まで全部終わらなければ成功ではないということではなく、途中でも成果が上がるプランを目指すということです。

 いろいろと苦労しましたが、まず最初にロジェ海台への潜航を説明します。これがロジェ海台です。この辺りは非常に複雑な地形をしています。海嶺系の中心はここを走っているのですが、随所にボツボツと丸い岩や何かがあって、地形はとても複雑です。その広がって拡大軸になっているところの海台を狙って、29潜航、30潜航、31潜航と、潜航をしました。


●無名の海底地形に名前を付ける


 海域にはいくつもの岩山がありますが、それらには名前がありません。そこでわれわれはまず最初にこの地形図を作った時に、これらの岩山に名前を付けることにし、どういう名前を付けようかと議論をしました。その時、船上で昼食をとりながら、女優のブリジット・バルドーの話をしていました。彼女が最近、猫や犬と生活をしているという話になった時に、ではブリジット・バルドーを発掘したのは誰かというと、映画監督で彼女の最初の夫となるロジェ・ヴァディムです。ロジェ・ヴァディムは5回結婚をしていて、奥さんが5人います。よく知られた人ではキャサリン・ドヌーヴ、ジェーン・フォンダがいますが、そういう奥さんたちがいます。そこで、「よし、それではこの海底の地形図にロジェ・ヴァディムの女たちにちなんだ名前を付けよう」ということを私が提案して、皆「それはいい」ということになりました。

 そこで、全体を「ロジェ海台」と名付け、特徴的なところに女性の...

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