海のジパング計画~海底鉱物を探れ
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マルコ・ポーロ時代は不可視だった「海のジパング」発見へ!
海のジパング計画~海底鉱物を探れ(1)黄金の国は海底にある
浦環(東京大学名誉教授/株式会社ディープ・リッジ・テク代表取締役)
「海のジパング計画」が始まっている。アベノミクス第三の矢を実現する10のイノベーションのうちでも目玉にあたるプログラムとして、各方面の注目も熱い。自律型海中ロボットの権威である九州工業大学ロボット具現化センター長・浦環氏は、この計画のサブPDとして注力している最中だ。まずは本計画がスタートすることになった経緯からうかがっていこう。(全3話中第1話)
時間:12分51秒
収録日:2016年1月12日
追加日:2016年7月27日
≪全文≫

●日本が「黄金の国」と呼ばれた理由は海底にあり


 それでは、シリーズ第3回は、「海のジパング計画」について申し上げたいと思います。

 いま私がサブPDとして力を入れて取り組んでいる仕事なのですが、自律型海中ロボットに密接に関係します。このプログラムは、総合科学技術・イノベーション会議が主催する、「SIP」というプログラムの中で行われています。

 その前振りとして、「ジパング」とは何か。皆さんもご存じだと思いますが、日本は昔「黄金の国」と言われていました。これは中尊寺の金色堂です。それから、1397年に建立された金閣寺も有名です。

 こちらはそういった金を産出していた、代表的な日本の鉱山として有名な小坂の鉱山です。小坂の鉱山は、黒鉱(くろこう)という鉱石を出していました。黒鉱は、熱水鉱床にある鉱石と同様の性質を持ちます。つまり、小坂から産出された黒鉱が熱水起源であったことが、科学的な事実として分かっています。しかし、ここはもう閉山されています。

 それから、佐渡の金山も有名です。やはりここも1989年に閉山しました。

 現在も金を掘っているのは、鹿児島にある菱刈鉱山です。ここでは1トンあたり40グラムの金を含む金鉱石、世界最高品位のものを産出しています。この菱刈鉱山も、熱水活動によって鉱床が形成されたと考えられています。

 そういう意味で熱水活動、つまり熱水鉱床の中でも陸上に出てきていたものは、実際的に使われてきたと言っていいでしょう。


●海底の「マルコ・ポーロ時代」は始まったばかり


 次に、海のジパング計画をご説明します。

 「海のジパング」とは何か、どういうことをしようとしているのか。まず「ジパング」とは、マルコ・ポーロの付けた名前で、彼は『東方見聞録』を通じて、「黄金の国=ジパング=日本」という存在が、大陸の東にあることを世界に知らしめたわけです。マルコ・ポーロは、1271年から1294年にかけて1万5千キロを移動する旅を成し遂げ、東アジアの状況をヨーロッパに知らせました。そのことにより「大航海時代」が始まると言ってもいいかもしれません。

 陸においてはすでにマルコ・ポーロの時代は終わってしまいました。しかしながら、海底におけるマルコ・ポーロの時代はいま始まったばかりである、と私たちは思っています。

 つまり、海底に「ジパング」...

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