日本の外交を理解するための三つの質問
この講義シリーズの第1話は
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
中国の真意は賛成でも反対でもない
日本の外交を理解するための三つの質問(3)中国は日米同盟をどう見ているか
ジェラルド・カーティス(政治学者/コロンビア大学名誉教授)
日本の外交を理解するための三つの質問のうち、最後のテーマは、「中国と日米同盟」である。世界第二位の強国となった中国が日米同盟をどう見ているのか、それに対してどう対応しようとしているのかについて、ジェラルド・カーティス氏が現地調査を交えながら、日本としての方策を提示する。(全3話中第3話目)
時間:9分59秒
収録日:2014年4月18日
追加日:2014年5月8日
カテゴリー:
≪全文≫

●弱かった頃の中国は「日米同盟は中国のプラスになる」という立場


三つ目の質問は、中国が日米同盟をどう見ているのか、それに対してどう対応しようとしているのか、ということです。
僕は、このあいだ、中国に1週間だけですが行ってきました。北京に3日間、上海に3日間いて、着いた日から帰るまで、ずっとこの質問の答えを探していました。それで、やっと分かったのです。
1971年に、ヘンリー・キッシンジャー氏が中国の北京へ行って、 周恩来氏と、2日間だったでしょうか、ずっと話をしました。
そのときキッシンジャー氏が周恩来氏に言ったのは、「日米同盟がなければ、日本は再軍備して、また軍国主義になる」ということです。そして、「台湾にいる蒋介石を支援し、朝鮮半島にもまた出ていく」と。周恩来氏も全くそうだと思っていたのです。
僕は、その考え方は非常に間違っていると思いますが、 キッシンジャー氏は本当にそう思っていたのです。今も、日本が軍事大国になるのは時間の問題で、だからこそ、日米同盟が、日本の再軍備に対して大きなブレーキになっていると言っています。
ということで、中国は、そのとき初めて「日米同盟は中国のプラスになる」という立場に立って、それ以来、ずっと長い間そういう立場を続けていたわけです。
なぜそうなったかというと、当時、中国はとても弱かったからです。だから、ソ連とのバランスをとるために、毛沢東氏はアメリカのニクソン大統領と握手するわけです。
同時に、台湾や朝鮮半島でいろいろなことがあり、中国は、日本がまだ怖かったのです。その頃は、70年代で、戦争が終わってからまだそんなに時間が経っていなかったから、日本が中国より強くなる可能性は大いにあったわけです。
だから、日本を牽制し、日本がそういう脅威にならないために、日米同盟を認めたわけです。それは、弱かった頃の中国だからです。


●強くなった中国は日米同盟に賛成でも反対でもない


しかし、2014年になると、中国は弱いどころか、世界で二番目に強い国になっています。これは、ものすごい変化です。
では、強い中国は、日米同盟に対してどのように考え方が変わってきたのか。
僕は反対しているだろうと思って、いろいろな人と会って聞いたのですが、日米同盟について誰も「反対です」と言わないのです。
しばらく不思議に思っていたのですが、ようやくその訳が...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(8)日貨排斥と満洲事変の原因
なぜ満洲事変が起きたか…激烈な日本排斥と朝鮮人迫害、さらに一方的な条約無効化に直面した日本人の決断と失敗
宮脇淳子
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
編集部ラジオ2026(34)『オデュッセイア』の秘密と愉しみ
【10min解説】大ヒット映画『オデュッセイア』がもっと楽しくなる神話講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
「アカデメイア」から考える学びの意義(1)学びを巡る3つの危機
「学びの危機」こそが現代社会と次世代への大きな危機
納富信留
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦
大人の学び~発展しつづける人生のために(1)「Unlearn(アンラーン)」とは何か
見方を変える!生き方を変える!そのためのアンラーン
為末大