日本の外交を理解するための三つの質問
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
一番の問題は、歴史認識問題と政策決定プロセス
日本の外交を理解するための三つの質問(1)「安倍ファクター」はどれほど重要か
ジェラルド・カーティス(政治学者/コロンビア大学名誉教授)
今、日本の外交が大きく変わろうとしている。それを理解するための大事な質問が三つあると語るジェラルド・カーティス氏。一つ目のテーマは「安倍ファクター」についてである。外交路線を決めるために安倍総理がどれほど重要なファクターであるか。カーティス氏のその答えとは。(全3話中第1話目)
時間:18分28秒
収録日:2014年4月18日
追加日:2014年5月8日
カテゴリー:
≪全文≫

●日本外交を理解するための大事な三つの質問


今、日本の外交は、大きく変わろうとしていると思います。
どのように変わろうとしているのか。どうして変わろうとしているのか。その結果、例えば日米同盟はどうなるのか。中国との関係どうなるのか。そのようなことが今、話題になっています。
私は、次の三つの質問に対して、自分に納得できる答えを出すことができたら、今の日本の外交のほとんど全て分かると思います。
一番目の質問は、今の外交路線を決めるのに、 安倍さんが総理大臣であるということがどれほど重要なファクターであるか。要するに、「安倍ファクター」はどれほど重要であるか、ということ。
二番目の質問は、今の東アジアの環境の中で、日米同盟を維持するための課題は何であるか。言い換えれば、日米同盟を維持するための挑戦、チャレンジにおいて、難しい問題は何なのか、ということ。
三番目の質問は、今、中国は日米同盟をどう見ているか。つまり、中国は、日米同盟に対してどういう戦略で対応しようとしているのか、ということ。
これらが、おそらく今の日本外交を理解するための一番大事な質問だと思います。


●日本の外交路線を変えさせているのは、国際環境の変化によるもの


それでは、一番目の「安倍ファクター」について、お話しします。
まず防衛予算が増えます。また集団的自衛権の憲法解釈については、限定された変化ですが、解釈を変えるということや、日米同盟の中で日本がより大きな役割を果たせるような集団的自衛権を認めるということなど、いろいろな動きがあります。しかし、「安倍晋三さんが総理大臣になったからこうなっているのか」という質問に対しては、私はほとんどノーだと思っています。誰が総理大臣であっても、基本路線はそれほど大きく変わりません。
前総理の民主党・野田佳彦さんは、誰を防衛大臣にしたかというと、森本敏さんという人で、彼は、自民党の中の、どちらかと言えば、右派の人たちの防衛と外交のアドバイザーをずっとしていた人です。 前原誠司さんも集団的自衛権を認めるべきだという意見です。多分、野田さんも同じ意見だろうし、もしも今、野田政権で経済が少しよくなっていたならば、おそらく防衛予算を増やしたはずです。
民主党のときに「動的防衛」という言葉が使われました。もっと積極的で、今までとは違った、いろいろな新しい防衛のための...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
戦略的資本主義と日本~アメリカの復活に学ぶ5つの提言
戦略的資本主義とは?日本再生へアメリカに学ぶ5つの提言
片瀬裕文
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史

人気の講義ランキングTOP10
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
編集部ラジオ2026(33)鎌田東二先生の法華経講義解説-2
【10min名作探訪】大丈夫だよと励ましてくれる『法華経』…鎌田東二先生の講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
「ホメロス叙事詩」を読むために(7)オデュッセウスの冒険
ホメロスの『オデュッセイア』が描く苦難と誘惑の冒険譚
納富信留