オバマ大統領訪日の成果を問う
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「米国は日本の防衛体制強化を望まない」と言う人はモグリ
オバマ大統領訪日の成果を問う(1)「成功」の三つの見どころ
岡崎久彦(外交評論家)
岡崎久彦氏によれば、2014年4月のオバマ大統領の訪日は「成功」と言えるものとなった。「成功」とするその見どころを、「アメリカ」という国の特質や日本官僚の在り方、保守主義下における経済動向にまで視野を広げて解説する。(前編)
時間:14分04秒
収録日:2014年5月7日
追加日:2014年5月15日
カテゴリー:
≪全文≫

●オバマ大統領、「アメリカ」として日米同盟強化を明言


 オバマ大統領の訪日は昨年以来の懸案だったのですが、結論から言って成功だと思います。成功とする見どころは三つあります。

 日本に関しては、日本の安全保障の姿勢をアメリカが完全にバックアップする、これができればそれだけでも成功なのです。というのは、安倍内閣のこれからの1カ月、3カ月、半年の一番の問題は集団的自衛権ですが、これを「アメリカは内心ではそれを望んでいない」などと言う人がいて、それに加えて保守化傾向と捉えて「日本が保守化して軍国主義化するのをアメリカは内心、恐れている」と言う人もいます。

 大体「アメリカがどう考えているか」ということを言う評論家がいたら、これは全部モグリで、本物ではないのです。例えば、「アメリカは自分の血を流しても台湾を守る気がない」と、そう言う人がいたら、その場合は、「そのアメリカって誰?」と聞けばいいのです。それはオバマ大統領を指しているのか、あるいはケリー国務長官なのか、ヒラリー・クリントンなのかと聞けばよいのです。これには返事ができないでしょう。

 もし、オバマ政権第一期の時にホワイトハウス国家安全保障会議のアジア担当上級部長をやっていたジェフリー・ベイダー、この人は親中派ですが、彼がそう考えていると言えば、それは正解です。

 ところが、それほどアメリカの内情を知っている人でも、ジェフリー・ベイダーの言うことがアメリカの全体を支配するなどとは、思っていないのです。アメリカは世論があって、言論界があってマスコミがあって、議会があって、ホワイトハウスがあってそれぞれ意見が違う。それぞれの意見が混ざり合って一つに意見が集約してきます。ですから、アメリカはそうする気はないだろうとか、アメリカは日本の再軍備を望んでいないだろうとか、「アメリカは」という主語を言う人がいたら、その人はその瞬間にモグリです。専門家ではない。しかし、今までそういう議論が多かった。「アメリカは内心では日本の防衛力増強、集団的自衛権含めて防衛体制の強化を望んでいないのではないか」という言説をなす人がいて、またそれを新聞が書くのです。

 そうすると、それに対抗するためには、「アメリカは日米同盟の強化を欲している。そのためには集団的自衛権の行使は必要である」と、それをアメリカに言ってもらうことがかなり...

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