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TPP、日韓関係、ウクライナ―オバマ来日前に難問山積み

前原レポート:米国から見た日本(2)アベノミクスと財政、オバマ来日の主要テーマ

前原誠司
衆議院議員
概要・テキスト
前原誠司氏による、ワシントン訪問記第二弾。前半の安全保障問題に加えて、いまアメリカから見た日本の問題点が広く集まった。オバマ首相4月来日に向けて、カウントダウンの今、日本は何を決断して動くべきか。
時間:12:10
収録日:2014/03/20
追加日:2014/04/17
≪全文≫

●中国のプロパガンダを気にせず良好な関係の構築を


今回の訪米では知日派、あるいは今の政権に対するアドバイザーをしている多数の人と会ってきました。その中で、誰がどう発言したかはお約束があって言えませんが、まず概括を申し上げましょう。
(1)の冒頭で申し上げたように、日韓関係がおかしいことについてはやはり多くの人が懸念していました。そして、慰安婦問題については、戦略的な観点からの判断が必要であると言っていました。これは、ほぼ全員の意見が一致しているといっても過言ではありません。
それから、中国との関係はこれ以上悪くしてはならない。ワシントンでも中国が種々プロパガンダを行っているけれども、誰も信用していないということです。例えば、「日本は国家主義を強化して、過去の歴史を見直そうとしている」などと吹聴しているが、そんなことは誰も思っていないから心配するな、と言われました。しかし、だからと言って中国との関係をこれ以上悪くはしないような努力を日本としても行ってほしいというのが、多くの方の意見でした。

●ウクライナ問題では結果よりプロセスが大切


ウクライナ問題では、おもしろかったことがあります。特定の個人というよりも複数の方からの話なのですが、「クリミアは仕方がない」と誰もが思っていたと言うのです。ただ、そこに至るプロセスや理屈が大事である。それを崩した形でロシアが強行しようとしたときには、その責めはロシアに負わせなくてはならない、ということでした。
しかし同時に、もしもクリミア半島だけではなくて、東部にまで影響力を及ぼしたり、編入を強行しようとしたときには、これはまったく話が違ってきます。つまり、クリミアもそうですが、ロシア語を喋っているというだけで保護対象にしたら、多くの国々が自分の領土よりはるかに大きな主権を担うことになってしまうので、そんなことは許されてはいけないということです。
ですから、クリミアについては片目をつぶる。そうは言ってもプロセスが大切。しかし、ほかの所に行こうとしたときにはもう次元の違う問題であるから、激しい対応にならざるを得ない。こう言っていたのが、非常に印象的でした。

●オバマ政権にとってのTPPと国際戦略的インパクト


TPPについては、「オバマは必ずやる」と聞きました。なぜなら、これは彼の「レガシー(遺産)」すなわち大統領として残す...
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