トランプ政権の行方と日米関係
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安倍首相のトランプ大統領に対する見事な対応
トランプ政権の行方と日米関係(3)安倍首相との信頼関係
ジェラルド・カーティス(政治学者/コロンビア大学名誉教授)
政治学者でコロンビア大学名誉教授のジェラルド・カーティス氏が、安倍首相のトランプ大統領に対する対応について解説する。大統領選挙直前に勝者の予想を変えた官邸は、トランプ氏に連絡を取る。それ以来、安倍首相は非常にうまくトランプ氏に対応してきた。(2017年4月20日島田塾第145回勉強会ジェラルド・カーティス教授基調講演「トランプのアメリカと日米関係」 より全8話中第3話)
時間:9分18秒
収録日:2017年4月20日
追加日:2017年5月14日
カテゴリー:
≪全文≫

●官邸は選挙前、トランプ氏に会おうとはしなかった


 日本との関係で面白かったのは、安倍首相がドナルド・トランプ大統領に見事に対応してみせたことでした。非常に感心しました。これほど上手にトランプ大統領を喜ばせて、日本が望むことを言ってもらうというのは、大したものです。

 大統領選挙の3日前、菅義偉官房長官が佐々江賢一郎駐米大使に、「ひょっとするとトランプ氏が勝つかもしれない」と、示唆したようです。昨年の9月に国連総会があり、安倍首相はニューヨークに行って、ヒラリー・クリントン氏と会いました。2人が握手をしているところを日本の新聞記者に撮ってもらい、日本の新聞全部にそれが載りました。官邸は当時、間違いなくクリントン氏が勝つと思っていました。早くクリントン氏に会って話をした方がいいということになり、トランプ氏には会おうとしなかったのです。

 官邸によれば、クリントン氏が会いたいと言ってきたから、安倍首相は会ったのであり、トランプ氏はそう言ってこなかった、ということです。しかし、これはおかしな話です。おそらく、外務省がクリントン氏に安倍首相と会うように頼んだと思うのですが、安倍首相としては、トランプ氏に会おうと思えば、当然会えたはずです。しかし結局は、会いませんでした。


●安倍首相のトランプ大統領への対応は見事だった


 ところが、大統領選挙の3日前、あるいはもっと前かもしれませんが、トランプ氏が勝つかもしれないと、官邸は予測を変えました。私もちょうど1週間前から、トランプ氏が勝つのではないかと思っていましたが、官邸でもそのように読んだらしいのです。

 そこで佐々江氏が、もしもトランプ氏が勝てば、安倍首相と電話をつないでくれ、とトランプ陣営に伝えました。私が聞いた話では、これを聞いたトランプ氏は大変喜び、「是非」ということになりました。自分でも勝てるとは思っていないのに、日本の総理大臣は自分が当選するかもしれないと思ってくれている、というわけです。

 選挙の翌日には、安倍首相がトランプ氏と電話をしています。10日後にペルーのリマで開かれる、APECの総会の帰りにニューヨークに立ち寄り、大統領就任のお祝いをしたい、と伝えたのです。トランプ氏はまた喜んで、トランプタワーで会談をセッティングします。

 安倍首相はトランプ氏、イヴァンカ氏、ジャレッド・クシュナー氏、そ...

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