トランプ政権の行方と日米関係
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
日米の安全保障関係は非常に良好、経済関係は?
トランプ政権の行方と日米関係(4)安全保障と経済関係
ジェラルド・カーティス(政治学者/コロンビア大学名誉教授)
政治学者でコロンビア大学名誉教授のジェラルド・カーティス氏が、日米の安全保障・経済関係について解説する。大統領就任後のトランプ氏は日本批判を抑え、これまでの安全保障関係を継続させる構えだ。TPPへのアメリカの参加は絶望的だが、日米の経済関係に問題はない。ただし、トランプ政権が保護主義へと転換する可能性もある。(2017年4月20日島田塾第145回勉強会ジェラルド・カーティス教授基調講演「トランプのアメリカと日米関係」 より全8話中第4話)
時間:12分08秒
収録日:2017年4月20日
追加日:2017年5月15日
≪全文≫

●日米の安全保障関係は非常に良好である


 ドナルド・トランプ氏は、選挙のキャンペーン中には日本を批判していました。日本が為替操作をしている。防衛予算をGDPの1パーセントしか使っておらず、アメリカにただ乗りしている。非常にアンフェアなトレードポリシーがあり、非関税障壁も多く、農産物の関税も高い。

 しかし、大統領就任後は、こうした日本批判を何一つ言わなくなりました。安倍首相と会談し、共同記者会見も行い、共同声明も出しました。このようにトランプ氏は、言うことをがらっと変えるのです。したがって、今後もまたどのように変わるかは分かりませんから、注意すべきでしょう。

 日米関係に限っていえば、ほとんど問題はありません。安全保障に対して、トランプ氏はほとんど関心がない人間です。彼はあくまでも経済、雇用問題を重要視しています。アメリカの会社が、外国ではなくアメリカに投資する。外国の企業は、アメリカに輸出するのではなく、アメリカで生産する。こうした経済政策が、トランプ氏にとっても、彼の支持基盤である、いわゆる中西部のラストベルトの労働階級の人たちにとっても、一番重要なのです。

 安全保障政策は、軍人に任せています。国防長官のジェームズ・マティス氏は、海兵隊のジェネラル(大将)でした。国家安全保障会議(NSC)のハーバート・マクマスター氏は、陸軍中将です。また、国土安全保障(Homeland Security)長官のジョン・ケリー氏は、もうひとりのマリンジェネラルです。トランプ氏は大統領に就任すると、日本は防衛政策でアメリカにただ乗りしていると言うのをやめて、すぐにマティス氏を日本に送らせました。

 すでに昨年の10月、大統領選挙の前に、マイケル・フリン氏が日本に来て、菅義偉官房長官と会っています。その際、日米同盟はアメリカにとって重要であり、トランプ氏が勝っても何も変わらない、とフリン氏は述べました。マティス氏も同様のことを言っています。したがって、日米の安全保障関係は非常に良好です。問題は北朝鮮ですが、その話はまた後でします。


●農産物の自由化は早い段階でTPPレベルに落ち着く


 経済関係も、今のところ日本政府・企業は、非常に上手に対応していると思います。アメリカと日本の間で問題なのが、日本の農産物の自由化です。日本政府は、次のようなことをトランプ政権に伝えているようです。すなわち...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾

人気の講義ランキングTOP10
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
編集部ラジオ2026(28)自由喪失の危機に考えるハイエク-1
斎藤幸平氏に物申す…自由喪失の危機に読みたい自由主義の近現代史
テンミニッツ・アカデミー編集部
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(5)1人の力で歴史を変えた男たち
大義にもとづく「個人の決断と行動」が歴史を動かす…名将の教訓
門田隆将
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
徳川将軍と江戸幕府~家慶と烈公斉昭(1)12代将軍・徳川家慶とはいかなる人物か
アヘン戦争はじめ内憂外患…第12代将軍・徳川家慶の時代
山内昌之
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博