第2次トランプ政権の危険性と本質
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
大恐慌時代の「スムート=ホーリー関税」の悲劇と教訓とは
第2次トランプ政権の危険性と本質(3)スムート=ホーリー法とトランプ政権
柿埜真吾(経済学者/思想史家)
かつてアメリカでは「スムート=ホーリー法」という関税政策が行われた。それは大恐慌時のアメリカ経済をさらに苦しめる悲惨な結果をもたらしたが、第2次トランプ政権による関税政策は、その関税政策を彷彿とさせるものだ。歴史的な関税政策とトランプの関税政策を具体的に比較し、その問題点を解説する。(全8話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:8分07秒
収録日:2025年4月7日
追加日:2025年5月24日
≪全文≫

●スムート=ホーリー関税の悲劇


―― トランプ大統領の関税を考えるときに、歴史に学ぶということが非常に重要だと思うのです。よくいわれるのが、1929年以降の大恐慌期に行われた「スムート=ホーリー法」も高関税をかけたがために、世界がますます恐慌になったということですが、こちらとの比較ではいかがでしょうか。

柿埜 このスムート=ホーリー関税といったら、最悪の関税の代名詞のようなものです。それとトランプの関税を比較するのは失礼ではないかと思われるかもしれないですが、あまりそうではないことがこれから分かると思います。

 このスムート=ホーリー関税というのは、スムートもホーリーもアメリカの共和党の議員なのです。1920年代~1930年代の共和党は、保護主義の政党だったのです。トランプは、だからそこに戻ったといえば戻ったところがあるのです。それまで「民主党が関税を下げすぎたのだ。もっと関税を上げなければいけない」と共和党の人たちが言っていましたが、このスムートとホーリーは、その急先鋒の人たちだったわけです。

 1920年から少しずつ関税を上げているのですけれど、「これではまだ足りない、思いきり引き上げるのだ。農業製品、あるいは工業製品のどちらも守る関税をつくるのだ」といって、この2人が張りきってつくったのがこの関税法案だったわけです。

 1929年5月に下院を通って、この法案がいよいよ成立かとなり、次は上院だといったときに大恐慌が起こって、アメリカは株価が大暴落します。1929年10月にウォール街の株価が大暴落するのです。

 今だったら、というより常識的に考えて「これはなにか大変なことが起こりそうだ」と思って、この関税法案をやめておこうと考えるのが普通だと思います。(しかし)当時の考え方はそうではなくて、「アメリカの産業を守るためにますます関税法案を頑張って成立させなければいけない」と、スムートもホーリーも考えたわけです。フーバー大統領も、これはぜひ成立させるべきだと言って、結局、年が明けて1930年3月に上院で可決されて、フーバー大統領が6月に署名して、これが成立することになるわけです。

 だから、当時の経済学者たちは、今も同じですけれど、「これはとんでもない法案だ」と(考えた)。右から左までいろいろな経済学者がいたのですが、当時のアメリカの経...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一

人気の講義ランキングTOP10
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
老子の神髄(5)玄人と小国寡民
したたかで超越的な知恵…見えないものを見ようとする知的好奇心
田口佳史
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
編集部ラジオ2026(21)中西輝政先生:アメリカの本質
【10min解説】独立250年、アメリカの理念と本質とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(6)リベラルアーツの本質
自分にしかできない自分の世界を味わうために、他の人とつながる
橋爪大三郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
AI時代と人間の再定義(3)Human Co-becomingと存在神学への対抗
Human Co-becoming…耳障りな言葉が新しい概念を生み出す
中島隆博