第2次トランプ政権の危険性と本質
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
問題だらけの閣僚たち…トランプ政権の真の公約とは?
第2次トランプ政権の危険性と本質(5)トランプの政治手法の問題とは?
政治と経済
柿埜真吾(経済学者/思想史家)
トランプの経済政策は、文化戦争の手段としての反グローバリズムという軸で理解するしかないが、そのような政策を進めるトランプ政権の政治手法の問題点はなにか。その背景には、陰謀論者が全部入ってしまったような閣僚の問題点や、公約を蔑ろにするトランプの姿勢、さらに、トランプ派の牙城のようになったヘリテージ財団の存在などがあった。(全8話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:11分20秒
収録日:2025年4月7日
追加日:2025年6月7日
≪全文≫

●極めて不合理なトランプの経済政策


柿埜 結局、歴史的に振り返ってみても、理論的に考えてみても、このトランプ政権の政策は極めて不合理で、重商主義者ですら「おいおい、ちょっと待てよ」と、少なくとも良質な重商主義者は「二国間のこれにこだわるって大丈夫か」と言ってくるような、極めて機械的でナンセンスな政策なわけです。

 こういうことになってしまっても、こういう関税をかけることをトランプ政権が進めようとするのは、経済合理性とかそのようなことに基づいている、あるいは間違った経済学に基づいているとすらいえません。世界の国にアメリカがいいようにされてきたから復讐するのだということで、だからカナダとメキシコという、本来だったらいちばん親しい国に対してあのようなめちゃくちゃなことをやるわけです。

 そういう価値観に基づいてこれをやっていると考えれば、要するに文化戦争の手段としての、反グローバリズムとしての政策として考えれば、これはいちばん理解がしやすいというところなのだと思います。

―― 逆にいうと、そうでもしないと理解ができないということですね。あまりにもとんちんかんなので。

柿埜 そうですね。トランプ政権の関税政策の説明というのは二転三転していて、これは関税を下げさせるためにやっているのだ。いや、アメリカがある程度自給することはいいのだ、いやこれはただの脅しなのだ、いや本当にこれはやらなければいけないのだ、とグルグル、グルグル回っていて、言っていることは一貫していないのです。

 でも今のところ向いてる方向性というのは、基本的にはこういう形で経済政策という以上のものがあると考えでもしない限り理解できないというところだと思います。


●公約が二の次になっているトランプ政権


―― そうですね。ちょうどそういうところでいきますと、先ほど優先課題は文化戦争だというような話もあり、それは先ほどお話いただいた通りで、トランプ政権の政治手法です。

 この経済政策だけ見ても、非常に危険な部分がありそうに、これまでの経済学の蓄積などが全くすっとんでしまったようなところがあるのではないかと思われるのですけれど、これが果たしてどういうものかというところで、政治の危険性についてぜひご解説をいただければと思います。



スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
岸信介と日本の戦前・戦後(1)毀誉褒貶相半ばする政治家
「昭和の妖怪」岸信介の知られざる実像を検証する
井上正也
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプの動きを止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
2025年、どん底日本を脱却する大戦略(1)日本が凋落した要因を総覧する
日本凋落の「7つの要因」と「10の復活大戦略」
島田晴雄

人気の講義ランキングTOP10
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓
編集部ラジオ2025(24)「理解する」とはどういうこと?
学力喪失と「人間の理解」の謎…今井むつみ先生に聞く
テンミニッツ・アカデミー編集部
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
未来を知るための宇宙開発の歴史(13)発展する宇宙空間利用と進化する技術
最近の話題は宇宙生命学…生命の起源に迫る可能性
川口淳一郎
ショパンの音楽とポーランド(1)ショパンの生涯
ショパン…ピアノのことを知り尽くした作曲家の波乱の人生
江崎昌子
クーデターの条件~台湾を事例に考える(6)クーデターは「ラストリゾート」か
中国でクーデターは起こるのか?その可能性と時期を問う
上杉勇司
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
與那覇潤
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子