オバマ大統領訪日の成果を問う
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
同盟国の仲間意識よりも「敵と仲良く」を重視するオバマ
オバマ大統領訪日の成果を問う(2)世界的影響力の低下とリベラルの横顔
岡崎久彦(外交評論家)
 TPPの問題と安全保障を明確に切り離し、尖閣防衛義務を明確にした2014年4月のオバマ大統領の訪日は、大局的に成功と言えよう。しかし、オバマ大統領個人への感想としては「?」が残ると岡崎久彦氏。英『エコノミスト』誌の論説文とともに、疑問材料を総括していく。(後編)
時間:5分35秒
収録日:2014年5月7日
追加日:2014年5月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●「オバマの世界的影響力が減っている(英『エコノミスト』誌)」


 ただ、オバマという人は、少し「?」ですね。最近の『エコノミスト』誌の論文に、「オバマの世界的影響力が減っている」とありました。

 例を挙げて、日本は尖閣を守ってくれるかどうか心配している。サウジアラビアやイスラエルは、イラン交渉の席上で本当に自分たちが裏切られないかを心配している。東ヨーロッパの国々は、ロシアが攻めてきた場合、守ってくれるかどうか心配している。それらが、オバマに対する各国からの心配です。


●シリア危機でオバマが犯した本当の失敗は、事前の相談不足


 理由は二つ挙げられています。一つは、シリアで優柔不断だったこと。ただ、これはある程度は政策の急転換に伴う「決まり事」のようなものです。シリア問題の一番の欠点は、これまで「イラン制裁」で締めつけていたのを、急に変えたことにありますからね。

 ただ、それよりも問題は、方針を決める前に誰にも相談しなかった点です。あれは、ホワイトハウスの庭をデニス・マクドノー大統領首席補佐官と二人で歩きながら、「これ、どうしようか」「いっそ議会に任せよう」と決められたことだと言います。ジョー・バイデン副大統領以下、ジョン・ケリー国務長官、チャック・ヘーゲル国防長官、スーザン・ライス大統領補佐官の誰とも相談せずに、パッと決めたのだという。

 その結果、ホワイトハウスの中でも、議会でも、民主党の中でも、オバマをかばわなければいけない人間がゼロになってしまった。だから誰一人かばわなくなり、せいぜい黙っている程度です。これは、オバマの明らかな失敗ですね。


●仲間意識より「敵と仲良く」を重視するオバマの「リベラル」


 もう一つ。『エコノミスト』の論文のいいところは、「オバマは、どうも仲間意識を持たせない」と指摘しているところです。先ほどおっしゃった「ビジネスライク」な態度ですね。皆そう呼びたがりますが、むしろ彼は「リベラル」なのです。

 自分の同盟国や仲間がいて、まず相談して足元を固めてから外に向かうというのではない。彼はむしろ「同盟などをつくって、第三者を阻害するのはよくない。同盟よりも敵に手を差し伸べて、仲良くしよう」という考えです。

 だから就任早々、「リセット」方針を打ち出してロシアと仲良くしようとしたが、これは何も効果が上がっていませ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏

人気の講義ランキングTOP10
日本の財政の真実を検証する(2)なぜ財政危機は起きていないか
なぜ財政危機は起きていないのか…国債の金利のトリックを読み解く
宮本弘曉
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
老子の神髄(3)アンチフラジャイルと上善如水
アンチフラジャイル…老子の説く「道」とは「肝っ玉母さん」である
田口佳史
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(4)情報と教養の違い
教養がおろそかな人の限界…「教養は頭の中に、情報は頭の外に」
橋爪大三郎
概説・縄文時代~その最新常識(12)多数合葬・複葬墓の意義
多数合葬・複葬墓は縄文時代のモニュメントだった!?
山田康弘
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(7)ベイトソンの学習理論とコンテクスト
ダブルバインドとは?ベイトソンの学習理論から解き明かす
斎藤環
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
ポスト国連と憲法9条・安保(4)自衛隊と憲法改正の問題
「憲法9条に自衛隊を書き込む」という改憲案は「姑息」
橋爪大三郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎