遠隔操縦機~カメラロボ
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
3.11震災後の海底でカメラロボが見たものとは
遠隔操縦機~カメラロボ(2)震災後の海底の様子
科学と技術
浦環(東京大学名誉教授/株式会社ディープ・リッジ・テク代表取締役)
九州工業大学社会ロボット具現化センター長・浦環氏は、3.11の大震災後、南三陸町・志津川湾と大槌町・大槌湾を、カメラロボットを使って調査した。今回は、その調査の様子を報告する。志津川湾や大槌湾の海底でカメラロボが見たものとは、果たして何だったのか?(全5話中第2話)
時間:9分12秒
収録日:2017年1月27日
追加日:2017年4月23日
≪全文≫

●志津川湾内外の調査


 これは志津川の例です。このあたり全体は南三陸町で、そこに志津川と歌津という所があります。まず志津川を中心に調べて、それから歌津の近くを調べて、それから外側もずっと回っていく。こうした地域の海底がどうなっているかということを、4日間かかって調べました。

 3番目の点のビデオをお見せしたいと思います。うっすらと見えているのは海底です。砂紋が見えています。浮遊物も見えています。深さは30メートルで、ダイバーが潜っていくには、かなりつらい深さです。ダイバーは1日にせいぜい20分ぐらいしか作業ができないのです。そこにロボットを潜らせると、海底にはほとんど何もなく、白い砂が広がっているという状況でした。

 これは最初に潜ったところですが、何か落ちています。何かはよく分かりませんが、ものが落ちていると、それをいちいち確認しにいきます。ただ、海底の水は濁っていますから、近くに行かないと見えません。オペレーターが非常に重要です。ときどきロボットが海底に腹をこすって、砂がぶわっと舞い上がっているのが見えます。いま操縦しているオペレーターはものすごく熟達しており、彼は画面を見ながら操縦しているわけです。

 どんどん進んでいるのが見えていると思います。ケーブルの長さは500~600メートルしかないので、300メートルから400メートルを進んではまた揚げて、あるいは戻ってきて、というような観測を続けていきました。今も進んでいますが、何か大物のがれきが落ちているという感じはありません。何か見えてきました。板のようなものが見えていますね。これをいちいちチェックしていくわけです。この時は漁師さんと一緒に見ていて、「ほとんど何もないね」と、非常に強い印象を持ちました。


●残骸に絡まるとプロペラが壊れてしまう


 これは海底にいた生物を映したものです。アイナメ、ホヤ、イカ、カレイの仲間がいます。こういう生物たちもいますよね、ということです。これは今のたくさんのビデオの中から取ってきました。

 さらにいろいろなものが落ちています。網や服のようなものも落ちています。こういったものがちらほらと落ちてはいますが、それほど大物は落ちていません。ただ、これらは実は非常に危険です。これは服かジャンパーのような薄い生地ですが、ロボットのプロペラに絡んでしまいました。こうしたことが起きないよ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
現在の宇宙の姿(1)星はなぜ自ら輝くのか
宇宙に関するニュースを理解するために宇宙の姿を学ぶ
岡村定矩
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
断熱から考える一年中快適で健康な住環境(1)日本の住宅の実態と問題点
なぜ日本は夏暑く、冬寒いのか…断熱から考える住宅の問題
前真之
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子

人気の講義ランキングTOP10
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(3)テクノロジーの進化とエンタメのいま
VR、ゲーム実況、ブロックチェーン…一方でリアルライブも
水野道訓
徳と仏教の人生論(2)和合の至りと正直
正直とは何か――絶対的存在との信頼関係の根幹にあるもの
田口佳史
未来を知るための宇宙開発の歴史(14)宇宙開発は未来をどう変えるか
『2001年宇宙の旅』が現実になる!?カギは宇宙医学
川口淳一郎
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(1)「プラチナ社会」構想と2050年問題
5つの産業で「資源自給・人財成長・住民出資」国家を実現
小宮山宏
大谷翔平の育て方・育ち方(1)花巻東高校までの歩み
大谷翔平の育ち方…「自分を高めてゆく考え方」の秘密とは
桑原晃弥
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(2)心理的安全性とは何か
心理的安全性とは?Google流の成功するチームの条件
青島未佳
クーデターの条件~台湾を事例に考える(6)クーデターは「ラストリゾート」か
中国でクーデターは起こるのか?その可能性と時期を問う
上杉勇司
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦