遠隔操縦機~カメラロボ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
遠隔操縦ロボットの問題は操縦者が育っていないこと
遠隔操縦機~カメラロボ(3)震災現場は戦場だ
浦環(東京大学名誉教授/株式会社ディープ・リッジ・テク代表取締役)
九州工業大学社会ロボット具現化センター長・浦環氏が、震災現場のロボットをめぐる問題点を解説する。震災後の現場は戦場である。そこでロボットが活躍するには、十分な訓練や技術が欠かせない。ところが日本では、高価なロボットを壊してはいけないといって、日常的に使用されていないため、操縦者が育っていない。(全5話中第3話)
時間:12分03秒
収録日:2017年1月27日
追加日:2017年5月7日
≪全文≫

●海上保安庁や海上自衛隊の苦労


 これは大槌の湾の中です。ほとんどがれきがなく、所々にこのような漁具のようなものが落ちています。ここにもほとんど何もありませんが、調べた時期が震災後1カ月半ぐらいということもあり、水温も非常に冷たかったのですが、私たちが見つけた最初のご遺体です。われわれはすぐに海上保安庁に連絡をし、このご遺体を保安庁の人たちが引き揚げるということになりました。ロボットをここにずっと置いていたため、われわれは保安庁のダイバーがこれを引き揚げていくのをずっと見ていました。

 もちろん、われわれは遺体捜索に行ったのではありません。海底がどうなっているかを調べていただけです。当時、海上自衛隊と海上保安庁のダイバーが、沿岸を潜って遺体捜索を行っていました。大変なご苦労だったとニュースでも伝えていました。津波の後、特に沿岸部分は水が非常に濁っていたのです。また、いろいろな破片などが落ちていると、それに引っかかってドライスーツが破れたりする。非常に危険な作業だったと、ニュースが報じていました。非常にご苦労なことだったと思います。彼らは電話をして30分ほどで飛んできたのですが、すぐにご遺体を揚げてくれました。


●調査チームは遺体捜査の邪魔をしないように活動していた


 われわれは実はロボットを持っているだけ、あるいはオペレーションをしているだけであって、組織的な行動をすることはできません。事故や津波で海底に行方不明者がいらっしゃるという場合、捜索をすべきなのは自衛隊あるいは海上保安庁、警察、消防といった、大きな国家的な組織です。彼らは船を持っていて、きちんとしたロジができるわけです。そういった人たちが非常に努力しています。それはもう大変なことです。ダイバーは深くても30メートルぐらいしか潜れず、しかもせいぜい数十分の間だけです。一人ではそれほど広い範囲をカバーできないため、人海戦術しかありません。

 そこにわれわれが出掛けていきロボットを出したとしても、人間が潜るのも大変な所で、ケーブル付きのロボットをうまく遠隔操縦できるとは到底思えません。われわれがうまくできているのは、沖合の、ほとんど何も残骸が落ちていない所を調べていたためです。海上保安庁が調べていた沿岸地帯には、近づかないようにしていました。彼らの邪魔をしてはいけないし、それから前にも申しました...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
五島列島沖合の海没処分潜水艦群調査(1)目的と潜水艦史
海底に突き刺さる旧日本海軍の潜水艦「伊58」を特定!
浦環
性はなぜあるのか~進化生物学から見たLGBT(1)有性生殖と無性生殖
なぜ雄と雌の2つの性別があるのか…「性」の謎とLGBT
長谷川眞理子
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎

人気の講義ランキングTOP10
平和の追求~哲学者たちの構想(3)サン=ピエールとモンテスキュー
「国連」の発想の源は?…一方、小共和国連合=連邦構想も
川出良枝
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
禅とは何か~禅と仏教の心(2)仏典漢訳から日本仏教へ
「ブッダに帰れ」――禅とは己事究明の道
藤田一照
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子