中東・湾岸情勢
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
GCC(湾岸協力会議)にとって前例のない政治的亀裂
中東・湾岸情勢(1)GCC3カ国のカタール大使召還事件を読み解く
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
イスラム主義組織の反政府運動。米オバマ政権の中東戦略の見直し。ペルシャ湾岸の石油大国サウジアラビアを揺るがす真の脅威とは。カタール大使召還事件というあまり注目されていない重要事件から中東情勢を読み解き、今後を見通す。(前編)
時間:11分54秒
収録日:2014年4月23日
追加日:2014年5月22日
カテゴリー:
≪全文≫

●GCC3カ国の大使召還は、時代の潮目になる事件


 皆さん、こんにちは。今日は、最近の中東、特に湾岸情勢についてお話ししたいと思います。

 日本だけではなく世界的にもあまり注目されていないことですが、最近湾岸においてある重要な事件が起きました。それは、今年2014年の3月5日に、サウジアラビア、UAE(アラブ首長国連邦)、それにバーレーンの3国が、カタールから大使を召還するという事件でした。

 こうした湾岸諸国6カ国間における大使の召還は、ほとんど前例のないことです。湾岸の国々、GCC(湾岸協力会議=サウジアラビア、クウェート、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、オマーンのペルシャ湾岸6カ国が1981年に設立)の国々は全て君主国家ですが、こうした国々の関係においては、紛争や対立が生じても、そうした政治の表面から少しずれたところで、政治の舞台から隠れて処理をしてきたという歴史がありますので、大使を召還するというような事態はまことに新しい現象と言わなければなりません。

 こうしたことをどう捉えるか、なぜ3カ国がこのような挙に出たのかについては後ほど述べることにしますが、これはあえて申しますと、GCCを構成している6カ国の関係が新しい時代に入ったという見方も可能かと私は考えています。すなわち、この危機もさることながら、危機への対応が、ある種の大人の関係として、GCCが成熟しているという面もあるということです。

 3カ国の大使召還措置に対して、カタールの側では、それに対する報復や、あるいは対応として大使を召還するということは、まだ起きていません。これは問題をあくまでも平和的に話し合いで解決しようとする、カタールの大人としての外交的な対応を意味しているのです。


●20年近く続くカタール自主独立の努力


 さて、このような大使の召還に至るまでには、実は長い歴史があったのです。実はカタールは、1996年以来、サウジアラビアからの影響力を弱めようとして、独自の政治あるいは外交路線をとろうとしてきました。とりわけ、この間のサウジアラビアとアメリカの関係の複雑化と相まって、今回のカタールに対するサウジアラビアをはじめとする3カ国の大使召還という事実は大変興味深いものがあります。

 カタールが独自制をとっているのには、三つの背景があろうかと思います。まず、サ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(24)「皇室典範改正」を考える
【10minで考える】「皇室典範改正」社会の空気をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
天皇のあり方と近代日本(4)三島由紀夫VS東大全共闘
「人間天皇」を否定した三島由紀夫の思想が問うものとは
片山杜秀
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(1)なぜ今『太平記』を読むべきなのか
『太平記』は乱世における人間の処し方が学べる古典文学
兵藤裕己
老子の神髄(7)『老子道徳経』「去用第四十」
緊張や怒りをコントロールするには?老子に学ぶ精神と肉体の関係
田口佳史
日本の財政の真実を検証する(5)財政政策で経済は成長するか
どうすれば経済成長できるのか…財政政策の可能性と限界とは?
宮本弘曉
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(2)在留邦人の生命財産を保護する決断
武装解除の「厳命」を守るか、戦って在留邦人の「生命」を守るか
門田隆将
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(2)厳格な一神教と選民思想
一神教とは、選民思想の真相とは…ユダヤ教の「最終目的」を考える
鶴見太郎
『源氏物語』を味わう(1)『源氏物語』を読むための基礎知識
源氏物語の基礎知識…人物関係図でみる物語の流れと読み方
林望
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫