キューバから見る現代史
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フィデル・カストロとチェ・ゲバラ…キューバ革命とその後
キューバから見る現代史(2)カストロとゲバラの革命
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
公立大学法人首都大学東京理事長の島田晴雄氏が、キューバ革命と革命後のゲバラについて解説する。アメリカ企業によって搾取されていた農民を救うため、カストロとゲバラは革命を決意する。ゲリラ戦やサンタクララでの戦闘を経て、1959年、革命政府が樹立された。ゲバラはその後、世界各地を転戦し、ボリビアで命を落とす。(全3話中第2話)
時間:12分00秒
収録日:2017年4月26日
追加日:2017年6月25日
≪全文≫

●あらゆる産業がアメリカの利益になるよう、政策誘導が行われた


 アメリカは、米西戦争の後、フルヘンシオ・バティスタ将軍にクーデターを起こさせて、キューバ人の政権を倒します。1回目は失敗しますが、2回目には成功し、バティスタ将軍が大統領になりました。しかし、これは傀儡政権です。彼はアメリカに報いなければならず、キューバのあらゆる産業がアメリカの利益になるように、政策誘導が行われました。例えば、通信や砂糖はアメリカの会社に奪われてしまいました。

 キューバの最大の産業は砂糖です。輸出品の8割を占めています。サトウキビの農地がずっと広がっているのですが、その大半をアメリカの企業が占有してしまったのです。労働者は、非常に低賃金で、朝から夜までの過酷な長時間労働に従事し、サトウキビを収穫しました。

 ところが、サトウキビの収穫期は年に4カ月ほどしかありません。それ以外の時期、労働者は生きていくために、会社から前借りをしなければなりませんでした。それが膨大な借金になってしまい、アメリカの会社の奴隷になってしまうのです。農民の大半は、水道もトイレもない小屋で、動物のような暮らしを強いられました。こうした姿を想像すると、アメリカも相当なものだという感じを持ちます。


●カストロは農民の惨状に心を痛めた


 こうした風景を、若きフィデル・カストロは見てきました。カストロの父はスペイン移民でしたが、非常に能力があり、たちまち地元の名士になった人です。カストロは、比較的豊かな生活ができたのですが、農民の惨状を見て非常に心を痛めます。

 名門ハバナ大学の法学部に進み、弁護士になったカストロは、農民や弱者の面倒を見続けました。しかしそうしたことでは、彼らを救うことはできません。そこで、やはり自分が立ち上がって武器を取り、革命を起こすしかないと決心します。当時、モンカダとバヤモの2カ所に政府軍の兵舎がありました。仲間と相談し、これを襲おうとしますが、武器を乗せたトラックが政府軍に気付かれてしまいます。門に到達する前から銃を打ち出してしまい、すぐに見つかって、全員捕まえられてしまったのです。

 ところが、カストロは運が良かった。警察署長のような人に連れて行かれ、軍に捕まった人のほとんどが殺される中、生き延びることができました。つてを頼りにメキシコに避難し、しばらくの間、充電するこ...

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