キューバから見る現代史
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
フィデル・カストロとチェ・ゲバラ…キューバ革命とその後
キューバから見る現代史(2)カストロとゲバラの革命
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
公立大学法人首都大学東京理事長の島田晴雄氏が、キューバ革命と革命後のゲバラについて解説する。アメリカ企業によって搾取されていた農民を救うため、カストロとゲバラは革命を決意する。ゲリラ戦やサンタクララでの戦闘を経て、1959年、革命政府が樹立された。ゲバラはその後、世界各地を転戦し、ボリビアで命を落とす。(全3話中第2話)
時間:12分00秒
収録日:2017年4月26日
追加日:2017年6月25日
≪全文≫

●あらゆる産業がアメリカの利益になるよう、政策誘導が行われた


 アメリカは、米西戦争の後、フルヘンシオ・バティスタ将軍にクーデターを起こさせて、キューバ人の政権を倒します。1回目は失敗しますが、2回目には成功し、バティスタ将軍が大統領になりました。しかし、これは傀儡政権です。彼はアメリカに報いなければならず、キューバのあらゆる産業がアメリカの利益になるように、政策誘導が行われました。例えば、通信や砂糖はアメリカの会社に奪われてしまいました。

 キューバの最大の産業は砂糖です。輸出品の8割を占めています。サトウキビの農地がずっと広がっているのですが、その大半をアメリカの企業が占有してしまったのです。労働者は、非常に低賃金で、朝から夜までの過酷な長時間労働に従事し、サトウキビを収穫しました。

 ところが、サトウキビの収穫期は年に4カ月ほどしかありません。それ以外の時期、労働者は生きていくために、会社から前借りをしなければなりませんでした。それが膨大な借金になってしまい、アメリカの会社の奴隷になってしまうのです。農民の大半は、水道もトイレもない小屋で、動物のような暮らしを強いられました。こうした姿を想像すると、アメリカも相当なものだという感じを持ちます。


●カストロは農民の惨状に心を痛めた


 こうした風景を、若きフィデル・カストロは見てきました。カストロの父はスペイン移民でしたが、非常に能力があり、たちまち地元の名士になった人です。カストロは、比較的豊かな生活ができたのですが、農民の惨状を見て非常に心を痛めます。

 名門ハバナ大学の法学部に進み、弁護士になったカストロは、農民や弱者の面倒を見続けました。しかしそうしたことでは、彼らを救うことはできません。そこで、やはり自分が立ち上がって武器を取り、革命を起こすしかないと決心します。当時、モンカダとバヤモの2カ所に政府軍の兵舎がありました。仲間と相談し、これを襲おうとしますが、武器を乗せたトラックが政府軍に気付かれてしまいます。門に到達する前から銃を打ち出してしまい、すぐに見つかって、全員捕まえられてしまったのです。

 ところが、カストロは運が良かった。警察署長のような人に連れて行かれ、軍に捕まった人のほとんどが殺される中、生き延びることができました。つてを頼りにメキシコに避難し、しばらくの間、充電するこ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
米国派経済学の礎…ハミルトンとクレイ(1)ハミルトンの経済プログラム
フェデラリスト・ハミルトンの経済プログラム「4つの柱」
東秀敏
財政問題の本質を考える(1)「国の借金」の歴史と内訳
いつから日本は慢性的な借金依存の財政体質になったのか
岡本薫明
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(22)「中国古代史」特集紹介!
【10min解説】「中国古代史という知の宝庫」特集の各話紹介
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(3)全皇帝の4分の3は「非漢族」
6000万人の漢人が、三国志の戦乱後に400万人台に…衝撃の人口変動
宮脇淳子
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
老子の神髄(6)無為と矛盾のススメ
無為とは緊張感を持って見つめること…なぜ矛盾を大歓迎すべきか
田口佳史
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(4)情報と教養の違い
教養がおろそかな人の限界…「教養は頭の中に、情報は頭の外に」
橋爪大三郎
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(3)3つの一神教、それぞれの物語
信じる神は同じだが…ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の異同点
鶴見太郎
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博