政治家の使命~目先にとらわれず50年、100年先のビジョンを描く~
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「全体のことを考えろ」という父の言葉を肝に銘じて
政治家の使命~目先にとらわれず50年、100年先のビジョンを描く~
村井嘉浩(宮城県知事)
 自衛官としての安定した生活を捨て、政治の道を志すことを決意した村井嘉浩氏が、今でも大切にしているのは、父からもらったある言葉だと語る。その言葉を支えに全力で県政に向かう村井氏が考える、政治家の使命とは?
時間:8分05秒
収録日:2014年2月14日
追加日:2014年5月22日
カテゴリー:
≪全文≫

●「全体のことを考えろ」という父の言葉を肝に銘じて


―― 県議に最初出られたのは、何歳のときですか。

村井 34歳です。

―― そこから10年で知事になられて、政治家の立ち振る舞い方、職務としての厳しさは、その県議時代くらいからだんだんと備わってきたものですか。

村井 そうですね。私は、政治家になろうと決めて自衛隊を辞めて政経塾に行くときに、父とずいぶんいろいろと議論をしたのです。そのときは結婚して子どももいて、公務員ですから、黙っていても定年までいて安定した自衛隊の生活なのに、母からは当然「なぜそれを捨てるのか」「政経塾に行って、何をやりたいのか」と聞かれました。
「政治家をやりたい」と言ったとき、母は反対だったのですが、父は、「それは男の生き方だから、すばらしいではないか」と言ってくれました。
ただ、「政治というのは、いわば武士と同じだ。つまり、自分のことを考えていてはいけない。全体のことを考えろ。だから、政治で金儲けをしようとしたり、自分のために政治を使うといったことだけはやめろ。全体のためにやれ。国民のため、県民のため、市民のため、町民のため。全体のことを考えてやるような政治をするなら、いいのではないのか」と言ってくれたのです。

―― 立派なお父さんですね。

村井 その父の言葉がずっと頭にこびりついているのです。ですから、もう全体のためにやって、それでだめなら、それは仕方がない。自分はとにかく、全体の利益のためになると思うことをやろうと思っています。

―― でも、陸上自衛隊のヘリコプターのパイロットで、そこから別の道へと決めていくわけですから、それはすごい決意ですね。

村井 はい。大変でした。

―― 大変な決断でしたね。その時はもう奥さんもいらした。

村井 はい、女房がいました。

―― では、大変でしたでしょう。

村井 私が自衛隊にいたときで、学校に入ったときだったのですが、「政経塾に行って政治を志したい」と話したときに、女房が反対すると思ったのです。次の日、朝起きたときに女房が、大学の課題を書くときのザラ紙に鉛筆書きで、「自分の進みたい道に進んでください」と書いてあったのです。その紙は、今でも机の上に貼っていますけれども。

―― それはできた奥さんですね。

村井 あれはもう、死ぬときは棺おけに入れてもらおうと思っていますね。そういう...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦

人気の講義ランキングTOP10
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(6)分別からの超越
ネガティブ・ケイパビリティとは?信じて待つことの意味
津崎良典
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
MAGA内戦、DSAの台頭…過激化が完了した米国の現在地
東秀敏
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
編集部ラジオ2025(33)2025年を振り返る
2025年のテンミニッツ・アカデミーを振り返る
テンミニッツ・アカデミー編集部
折口信夫が語った日本文化の核心(1)「まれびと」と日本の「おもてなし」
「まれびと」とは何か?折口信夫が考えた日本文化の根源
上野誠
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ