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キャリア資本ポートフォリオで人生100年時代を心豊かにする

プロティアン~最先端の自律的キャリア形成(6)キャリア資本戦略の中長期計画

田中研之輔
法政大学キャリアデザイン学部教授/一般社団法人プロティアン・キャリア協会代表理事
情報・テキスト
キャリア形成は一朝一夕にはならない。しかし、キャリア資本を戦略的に考えるなら、あらゆる人生経験が自己投資となり、目指すキャリアの役に立つ。ただし、それは偶然ではない。仕事とは関係のないところでキャリア資本が蓄積されていくのである。中長期計画を軸にすれば、変化こそが力になっていく。(全7話中第6話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:12:52
収録日:2022/03/11
追加日:2022/06/23
≪全文≫

●中長期的にキャリア戦略を考える


―― 外との関係については、なるべく一歩一歩広げていくということをお聞きしました。また、いろいろなジャンルの本を読むということもお話されましたが、このテンミニッツTVにも多彩なジャンルがあります。

田中 まさにそうですね。

―― そうしたものを観てみたり、何か違うことをやっていったりすることが大事ということですね。

田中 そうです。例えば、テンミニッツTVは私も観ましたが、おそらく皆さんの多くが自分の知っていること、自分に関連することから観ていくと思います。そのときにあえて「これは、どういう話なのだろう」と思うような、これまで全然興味を持っておらず、自分との縁がなかったところからクリックして観ていく。その部分に対するビジネス資本はゼロだから、そうすることでどんどん増えていきます。

 このスライドに映しましたが、キャリア資本という考え方をすると、いいことが一つあります。経営戦略や事業戦略と同じフレームで、中長期計画の中でキャリア戦略も考えることができるようになるのです。

 例えば、スライドには「初期キャリア形成期」「中期キャリア形成期」「後期キャリア形成期」と三つのフレームを置きました。これを用いて皆さんなりに、どんなビジネス資本を増やしていきたいか、あるいは皆さんが管理職や経営者の立場であれば、チームのメンバーにどういう資本を獲得してもらいかということを計画します。

―― この表でいくと、例えば入社したばかりの人は、一番左の表から入って、次の(30歳~45歳)の欄には自分の希望を入れていくわけですね。

田中 そうです。

―― 逆に、例えば45歳や50歳の方だと…。

田中 やってきたことが入ります。

―― (左に)やってきたことが入って、(右に)これから何をするか入れていくと。

田中 そうです。

―― つまり、この表は両方に使えるということですね。

田中 両方に使えます。つまり、この表の中に掲げ、加味しているのは、過去にやってきたことと現在と未来という時間です。視聴者の中にはもちろん70歳以上の方もいらっしゃるでしょう。プロティアンにおいても、「どんな方からのメールも受け付けます」と告知すると、「私は73歳だが、プロティアンをやりたい。でも、先生の方法には70歳までと書いてある」と言われてしまったりします。なので、ここはその先に項目を増やしてもらい、皆さんなりにキャリア形成してもらえればと思います。

 なぜこのように中長期で考えるかというと、キャリアには一つ重要なポイントがあります。

 私はエンジェルとして個人投資を行っているので、それを例に取ると、例えば若手社員に「明日までにネイティブ・レベルで商談できるようにしてください」「そうすれば、1,000万円投資します」と言っても、帰国子女以外の人は誰もできません。では何ができるかというと、「分かりました。来年までに何とかします」とか、「3カ月後までになんとかします」ということです。

 つまり、キャリア形成というのは、語学に限らず新しい知識でもなんでもやはり時間がかかるということです。「アキュミュレーション(accumulation)」と私は呼んでいますが、時間をかけて自分で準備していかないとキャリア形成はうまくいかないのです。


●プランド・ハップンスタンスセオリーとプロティアン・キャリアの違い


田中 キャリアを考えるときには、どのように考えるかが問題になります。例えばキャリアというのは本当に偶然で、偶発的に形成されるという説があります。それがスタンフォード大学のクランボルツ教授が提唱した「プランド・ハップンスタンスセオリー」で、日本人にはこの説を好む人が結構多いのです。

 つまり目の前の仕事をやっていると、誰かが(次のステージへ)連れて行ってくれる。引き上げてくれたり、チャレンジを広げてくれたりして、新しいチャンスをくれると考えるのです。確かに起きていることはそうなのですが、キャリアに関してはもっと現実的にプレイヤーとして何ができるかを考える必要があるのではないでしょうか。

 例えば私の場合、今はプログラミングができません。できないと思っていて、何もしなければ、できない人間のままです。しかし、「5年後までには、ソフトウエア・エンジニアと語れるようなところまで何とかしたい」と考えれば、今の業務とは違う時間に毎日30分でもオンラインで学んだり、図書館や書店へ行ったときにそういう本を手にしたりする。それを「ビジネス資本が貯まっている」と考えるのです。

 プロティアン・キャリアは皆さんの背中を非常に押してくれると思います。それは、ありとあらゆる自己投資行為、自らキャリア形成を自律的に行う行為のうち、皆さん...
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