●中長期的にキャリア戦略を考える
―― 外との関係については、なるべく一歩一歩広げていくということをお聞きしました。また、いろいろなジャンルの本を読むということもお話されましたが、このテンミニッツTVにも多彩なジャンルがあります。
田中 まさにそうですね。
―― そうしたものを観てみたり、何か違うことをやっていったりすることが大事ということですね。
田中 そうです。例えば、テンミニッツTVは私も観ましたが、おそらく皆さんの多くが自分の知っていること、自分に関連することから観ていくと思います。そのときにあえて「これは、どういう話なのだろう」と思うような、これまで全然興味を持っておらず、自分との縁がなかったところからクリックして観ていく。その部分に対するビジネス資本はゼロだから、そうすることでどんどん増えていきます。
このスライドに映しましたが、キャリア資本という考え方をすると、いいことが一つあります。経営戦略や事業戦略と同じフレームで、中長期計画の中でキャリア戦略も考えることができるようになるのです。
例えば、スライドには「初期キャリア形成期」「中期キャリア形成期」「後期キャリア形成期」と三つのフレームを置きました。これを用いて皆さんなりに、どんなビジネス資本を増やしていきたいか、あるいは皆さんが管理職や経営者の立場であれば、チームのメンバーにどういう資本を獲得してもらいかということを計画します。
―― この表でいくと、例えば入社したばかりの人は、一番左の表から入って、次の(30歳~45歳)の欄には自分の希望を入れていくわけですね。
田中 そうです。
―― 逆に、例えば45歳や50歳の方だと…。
田中 やってきたことが入ります。
―― (左に)やってきたことが入って、(右に)これから何をするか入れていくと。
田中 そうです。
―― つまり、この表は両方に使えるということですね。
田中 両方に使えます。つまり、この表の中に掲げ、加味しているのは、過去にやってきたことと現在と未来という時間です。視聴者の中にはもちろん70歳以上の方もいらっしゃるでしょう。プロティアンにおいても、「どんな方からのメールも受け付けます」と告知すると、「私は73歳だが、プロティアンをやりたい。でも、先生の方法には70歳までと書いてある」...