LGBT生徒へのいじめと排除
この講義シリーズの第1話は
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
トランスジェンダー対応策と性同一性障害特例法の問題点
LGBT生徒へのいじめと排除(2)トランスジェンダーへの壁
土井香苗(国際 NGO ヒューマン・ライツ・ウォッチ 日本代表)
国際NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表の土井香苗氏が、LGBT生徒が置かれている現状と対応策の問題点について解説する。土井氏は、単なる「いじめは駄目」的な対応では多様なバックグラウンドを抱えるLGBT生徒へのいじめは解消しないと指摘。特にトランスジェンダーの子どもに関する国の対応策には問題が多いという。(全3話中第2話)
時間:9分31秒
収録日:2017年7月12日
追加日:2017年8月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●「いじめは駄目」ではLGBT対応には不十分


 実際に日本のいじめ対策を見てみると、いじめ防止に関する法律が、今から4年ほど前(2013年)にできて、しっかりと系統立ったいじめ対策は行われるようになってはいるのですが、そのいじめ対策の中にLGBTの子ども、性的なマイノリティの子どもは位置付けられていませんでした。

 しかしながら、こういった子どもたちの性的な指向、あるいは性自認と言いますが、セクシュアル・オリエンテーション、ジェンダー・アイデンティティに関連して、いじめや排除をされているという現実があるのです。それはやはりそのことが原因となるわけですが、その原因に対して適切な対応がなくてはならない、とわれわれは考えました。

 もともと文科省が持っていたいじめ対策は、「絶対いじめは駄目。誰にでもいじめは起こり得るもので、皆が関心を持たなければいけない。そして絶対やっては駄目」と、こういう感じなのです。それ自体は非常に正しいことで、もちろん、いじめは絶対に駄目なことですし、確かに誰にでも起こり得るものです。しかし、さまざまなバックグラウンドのあるいじめに関しては、それぞれ特殊な対応が必要で、先生の理解から始まって、教育の内容やさまざま専門的な知識、経験に基づいて対応しなくてはならないものなのです。そういったものがなく、ただ「いじめは絶対駄目だよ」ということだけではやはり、いじめはなくならないですし、有効な対策は打てません。そういう状況が浮き彫りになっていました。


●「制服」はトランスジェンダーの子たちの大きな壁


 あともう一つ思ったのは、LGBTの中のトランスジェンダーの子どもたち、いわゆるジェンダー・アイデンティティ、性自認のマイノリティの子どもたちに関して、です。特に典型的なのが、例えば小学校ぐらいなら、「ちょっとボーイッシュな女の子だね」とか、「少し女の子っぽいおとなしめの男の子だね」とか、そんな感じで学校に行けていたのが、中学校に上がると、大体制服を着るという状況になるため、本人が思春期になってくることも同時だからということもあると思いますが、制服としてスカートをはいている自分というものがどうしても受け入れ難い、あるいは学ランを着ている自分というものがどうしても嫌であると、ある意味初めて思うようになる、つまり、そういった「すごく嫌だ」という気持ちがしっかり認...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
核DNAからさぐる日本のルーツ(1)人類の起源と広がり
核DNAデータで日本人のルーツを探る…アフリカから日本まで来た行程と時期は?
斎藤成也
「満洲」から考える日本とアジア(6)21カ条の要求と第一次世界大戦
日本が中国に出した「21カ条の要求」の罠と必然…不安定な満洲利権を手にした日本が直面した難題とは?
宮脇淳子
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
死と宗教~教養としての「死の講義」(6)日本人の「死」と法然
南無阿弥陀仏と唱えて極楽浄土へ…法然の革命の意味とは
橋爪大三郎
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博