トランプ政権の現状
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ロシアゲート疑惑はトランプ大統領の弾劾まで至るのか?
トランプ政権の現状(2)ロシアゲート・政治任用の難航
吉田正紀(元海上自衛隊佐世保地方総監/一般社団法人日本戦略研究フォーラム政策提言委員)
元海上自衛隊佐世保地方総監で、一般社団法人日本戦略研究フォーラム政策提言委員である吉田正紀氏が、トランプ政権の問題について解説する。ロシアゲート疑惑は、特別検察官の任命によって、反トランプ派を勢いづかせてしまった。また、トランプ大統領の反エスタブリッシュメントの姿勢によって、政治任用が遅れを見せている。(全2話中第2話)
時間:12分47秒
収録日:2017年6月9日
追加日:2017年8月30日
カテゴリー:
≪全文≫

●トランプ陣営からロシア側への働き掛けがあったのか


 現政権が抱える重大な懸念事項が、もう一つあります。俗に言われる、ロシアゲート疑惑です。国家安全保障担当大統領補佐官であったマイケル・フリン氏は、プーチン政権要人と親交があり、ロシアで高額の講演料を得ていました。政権発足前に、ロシアのセルゲイ・キスリャク駐米大使と制裁問題で密約を結んでいたことが発覚し、フリン氏は2月13日に辞任します。また、ジェフ・セッションズ司法長官も、選挙中に同大使と2度接触し、議会公聴会でそれを否定する発言をしていたことから、窮地に追い込まれました。

 ロシアゲート疑惑で最大の焦点は、ドナルド・トランプ陣営が選挙期間中にロシア側と接触し、ヒラリー・クリントン陣営へのサイバー攻撃を依頼していたのではないか、という疑惑です。大統領選挙にロシアが仕掛けた情報戦については、米情報機関が1月に報告しています。詳細は、テンミニッツTVで東秀敏氏(American Security Project エネルギー安全保障プログラム・ジュニアフェロー)が説明しました。

 一方、トランプ陣営も、ソーシャルメディアを最大限に活用したデジタル戦略を採用し、選挙戦を優位に展開しました。ロシアが仕掛けた情報戦も、トランプ陣営の仕掛けたソーシャルメディア戦も、主たる戦場はサイバー空間です。クリントン陣営は、サイバー空間でトランプ陣営に敗北したわけです。しかし今回の疑惑は、先程述べた事実がロシアの情報戦とトランプ陣営のデジタル戦略の意図せぬ相乗効果、偶然であったのか、それとも、トランプ陣営からロシア側への働き掛け、もしくは共謀、故意であったのかが焦点です。


●コミー長官の解任劇の結果、モラー特別検察官が誕生した


 こうした疑惑に対して、トランプ政権はいわゆるオバマゲートを創り出して、ロシアゲートの封印を図るという動きに出ました。3月4日、トランプ大統領は、バラク・オバマ前大統領がトランプタワーを盗聴したとツイートすると、翌日には、ショーン・スパイサー報道官を通じて、2016年に大統領の国内監視権限が乱用されたか、議会情報委員会に速やかな調査を依頼することを発表しました。

 ところが、これが裏目に出てしまいます。3月20日、当時FBI長官であったジェームズ・コミー氏は、下院の情報特別委員会で行われた、ロシアの大統領選挙干渉問題に関する公聴会に出席し...

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