教育の多様性
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
初等教育ではシニア教員集団を、最高学府では社会人学生を
教育の多様性
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
さまざまな問題を抱えている日本の教育現場だが、対症療法的に考えていては、真に刺激的な学問の場や独創的で新しい「プラチナ社会」にふさわしい人材は育たない! 前東京大学総長・小宮山宏氏が提言する、今必要な教育イノベーションとは?
時間:11分46秒
収録日:2014年4月11日
追加日:2014年3月30日
≪全文≫

●対症療法ではなく教育の仕組みを変化させる


 今、いろいろな意味で教育問題というのが重要です。教育におけるイノベーションというのが、本当に必要な時期に入っているのだと思います。

 これも非常に大きな流れで言いますと、産業革命をやって、そういう社会にふさわしい人材を育てるということと、これからの独創的な新しい良い社会、私はそれを「プラチナ社会」と定義しておりますけれども、そういう社会に向かう創造性のある人たちを育てる教育というのは、おそらく違ってくるということが背景にあるのだと、基本的には思っています。

 そして、その答えというのは、社会総がかりの教育あるいは学び合いにあると思います。教育というのは「誰かが誰かを教える」という感じがしますけれども、そうではなくて、「お互いに成長していく」というような仕組みを構築することが、必要なのではないかなと思っているのです。

 今、小中学校の教育で、いろいろ違うことが問題になっていますね。例えば、日本人は世界の中でも非常に英語が下手ですが、この問題をどうするのかというようなこともあるし、いじめの問題もとても大きいですね。

 それから、これは世界中の課題なのですが、理科教育の問題というのも大きいのです。生命科学や情報科学、これらは両方とも私の学生時代にはなかった分野です。こういうものが新しく出てきて、しかも1年、1年激しく変化していくわけです。進歩していくと言っていいと思います。こういう状況のなかで、どうやっていい教育をしていくのかということですね。

 これを、対症療法的に一つ一つ「小学校から英語を教えようか」とか「理科の先生を再教育しようか」などとやっていっても、なかなかうまくいきません。もう少し大きな変化をさせないといけないのです。

●経験豊富なシニア人材を教員集団に活用する


 具体的に言うと、私は一つの学校に5人ずつ社会人が入った教員集団を作るといいと思っているのです。その人たちは、60歳以上でもいいです。今、日本で元気でなおかつ知恵と経験を持っている人材というのは60歳以上の層にたくさんいますから。そういう人たちを5人ぐらい、教員として入れるのです。

 例えば、海外滞在の経験があって、実用的に英語を話せるようになっている人たちとか、あるいは総務系でクレーム処理をやっている人たちというのがたくさんい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
ムハンマドを知る(1)その役割と人物像
ムハンマドは神の啓示を受けた預言者で共同体の最高指導者
山内昌之
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二
法隆寺は聖徳太子と共にあり(1)無条件の「和」の精神
聖徳太子が提唱した「和」と中国の「和」の大きな違いとは
大野玄妙
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留

人気の講義ランキングTOP10
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(7)日本の倫理こそ未来の理想
他人の幸福実現に喜びを見出す日本の道徳こそ未来の理想だ
賴住光子
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
世界は音楽と数学であふれている…歴史が物語る密接な関係
中島さち子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
高市政権の進むべき道…可能性と課題(4)外交力と防衛力の強化へ
求められる「能動的サイバー防御」、問われる本物の外交力
島田晴雄