AIと人間の働き方の関係
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
AIとの仕事で人間が求められる役割とは?
AIと人間の働き方の関係
柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授の柳川範之氏が進化目覚ましいAIと人間の働き方の関係について解説する。最近よく、人間の仕事がAIにとって代わるのではないかといわれるが、柳川氏は人間の能力を必要とする分野は残っていくと語る。重要なのは、それぞれの特徴を生かし、うまくコラボレーションしていくことなのだ。
時間:15分02秒
収録日:2018年2月16日
追加日:2018年3月26日
≪全文≫

●AIのできることの幅もレベルも進歩してきた


 人工知能の発達と、人の仕事がどのように変わっていくのかということをお話ししたいと思います。

 AIと呼ばれているものがどういう定義なのかを正確に言うのは実は難しいのですが、実際かなりの発展を遂げているというのは紛れもない事実だと思います。ディープラーニングといわれているものの発達に見られるように、今までできないと思われていたようなことまでAIがやれるような時代になりました。

 典型的なニュースが囲碁の世界的チャンピオンにGoogleのAIが勝ったことです。囲碁ではAIが勝つのはなかなか難しいのではないかといわれていたのですが、今や世界チャンピオンよりも強いAI が出現してしまったということで、ある意味で衝撃的なニュースを皆に与えました。AIが囲碁のチャンピオンに勝てるぐらいであれば、通常の仕事もAIがやってしまうのではないか、と皆が思い始めたということでしょう。

 そうした側面から見ると、AIができる幅は広がってきていますし、かなり高度なことができるようになってきたのも事実だろうと思います。ただし、人が今までやってきたことの全てをAIでやれるのかというと、実はそこには大きな乖離があります。とはいえ、ある種特殊な分野においてAIは大きな役割を果たす、あるいは人間以上の働きをするということが、だんだんと分かってきたということだと思います。


●AI の強みを生かす条件-1.大量のデータ


 今回はAIの細かい技術的な面ではなく、AIが人々の日常の仕事や業務とどういう関係があるのかというところをお話しします。

 今のAI技術にとって特徴的な強みとして発揮できるのは、2つの条件がそろっているときだといわれています。1つ目は学習するためのデータがかなり大量にあることです。これは人間が必ずしも提供する必要がない場合もあり、Googleの囲碁のAIはAI同士で囲碁をプレイして、それをデータとして蓄積しさらに賢くなっていくということなので、必ずしも人間が提供する必要があるとは限りません。いずれにしても大量のデータを統計処理することによってさらに情報を得ていく、ということがAIの1つの特徴です。逆にいうと、大量な情報が手に入らない分野については、十分な力を発揮できないということになります。


●AI の強みを生かす条件-2.正解が決まっている


 2つ目は、ある種の正解、...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治

人気の講義ランキングTOP10
知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線(1)脳科学と「ミクロのマクロの隔たり」
脳が生きている、死んでいるとは?最新研究で迫る脳の秘密
毛内拡
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(1)精神分析の概念とその起源
なぜ心の病にかかるのか?ラカンの精神分析とその起源
斎藤環
ウェルビーイングを高めるDE&I(8)アンコンシャスバイアス:前編
バイアスの罠…8割直観と思考の「エコ運転」の自覚が大事
青島未佳
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊
編集部ラジオ2026(18)4種の「利き脳タイプ」分析
【10min解説】最終話に注目!4種の「利き脳タイプ」分析
テンミニッツ・アカデミー編集部
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(4)情報と教養の違い
教養がおろそかな人の限界…「教養は頭の中に、情報は頭の外に」
橋爪大三郎
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(8)AI時代の人間の価値
労働市場改革を妨げる労組や、不登校を救えぬ文科省こそが邪魔だ
宮本弘曉
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博