今後の技術革新と企業経営
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
データ分析と経営実態をつなげる組織改革が重要
今後の技術革新と企業経営(3)データ分析と経営の結合
柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
データの有効利用には二つ重要なことがあると、東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授の柳川範之氏は語る。一つは経営の実態を踏まえてデータ分析を行うデータサイエンティストの活用で、もう一つは、そのデータサイエンティストと経営の実態が分かる人を結び付けるための組織改革である。(2018年4月25日開催日本ビジネス協会JBCインタラクティブセミナー講演「今後の技術革新と企業経営」より、全8話中第3話)
時間:7分25秒
収録日:2018年4月25日
追加日:2018年8月11日
≪全文≫

●データを解釈して評価できるのが本当の意味でのデータサイエンティスト


 (前回は、データを活用するためには、データ分析を行う目的を、経営が事前に設定する必要がある、というお話をしました。)データを活用するためのもう一つのポイントは、データを分析する人が必要だということです。データを分析するデータサイエンティストがいないと、データはゴミの山にすぎません。

 こう話すと、いろいろな分析ができるプログラマーが必要なのかと、多くの方はそのように思うはずです。しかし、話のポイントは実はそこではありません。データサイエンティストには、プログラマーとしての能力も重要なのですが、それだけではありません。出てきたデータを解釈して評価できるのが、本当の意味でのデータサイエンティストです。このようなデータの解釈や評価は、実態をよく分かっている人でないとできません。

 このことについて、皆さんになじみのある例でお話しします。経営の財務諸表にある財務データから財務分析ができます。そうすると、在庫の回転率やいろいろな比率など、さまざまな財務指標が出てきます。ここまでは、今では自動的にプログラムでやってくれたりします。あるいは、プログラマー的な人がやってくれます。

 しかし、財務分析の結果を経営に生かすのは誰かといえば、プログラマーにはできません。それは、経営のことや会社の実態が分かっていて、なぜそういう分析結果が出てくるのかが分かる人でないとできません。それが分からないと、実は、財務分析の結果は単なる数字にすぎません。


●相関関係から因果関係を導くには経営の実態を知る必要がある


 少し専門的な言い方をすると、AIやデータ分析で分かることは、データの相関関係にすぎません。このデータとこのデータが同じように動いているという相関関係は出てきます。例えば、雨が降ることと売り上げが上がることが同じように動いているということは分かります。

 しかし、この相関関係を示すデータから、どういう因果関係が存在するのかを特定することは、実態が分かっている人にしかできません。なぜ雨が降ると売り上げが上がるのかということは、現場をよく知っている人や、会社の経営の根幹を知っている人など、そういう人たちでなければ分かりません。

 こういった実態や経営を知っている人こそが実は、必要なデータサイエンティ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治

人気の講義ランキングTOP10
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(4)日本人の仏教と先祖崇拝
実は日本人は「仏教」も「先祖崇拝」も真面目に考えなかった?
橋爪大三郎
人生100年時代の「ライフシフト概論」(1)人生100年時代のインパクト
80歳まで現役でいるために大切なこと…人生100年時代の発想法
徳岡晃一郎
日本の財政の真実を検証する(2)なぜ財政危機は起きていないか
なぜ財政危機は起きていないのか…国債の金利のトリックを読み解く
宮本弘曉
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
編集部ラジオ2026(30)AI時代の企業と道徳
【10minで考える】CPO(最高哲学責任者)…AI時代に必須の哲学とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(3)認知バイアスとの正しい向き合い方
知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」
今井むつみ
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之