知能と進化
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AIはいかにして概念を把握するのか?
知能と進化(3)AIにとっての概念
科学と技術
人工知能(AI)はいかにして「概念」を把握するのか。AIにとっての身体性や意味について意見を交わしてきた総合研究大学院大学長・長谷川眞理子氏と東京大学大学院工学系研究科特任准教授・松尾豊氏が、これまでの議論を踏まえ、自動運転やAlphaGoの事例から概念の導出過程について論ずる。(全8話中第3話)
時間:8分50秒
収録日:2018年4月9日
追加日:2018年7月15日
≪全文≫

●AIは概念をどのようにつくるのか


長谷川 意味と似た話なのですが、「概念」というのはどのようにつくるのですか?

松尾 方法は幾つかあります。スライドでお見せした方が良いですね。

 概念のベースは、基本的にはディープラーニングで、どんどん高次の特徴量を見つけ出していくステップを踏めばできると思っています。この図のように、視覚情報が入って来た際、それをニューラルネットワークで積み上げていくと、だんだんと上の方は高次の特徴量になっていき、もつれがひもとかれた状態になっていきます。これがまた、時系列のRNNでも同じようなことが起こります。


●自動運転とAlphaGoと画像認識から考えるAIの学習の仕方



【参考動画1】
NVIDIA 8 Mile Autonomous Drive
https://youtu.be/Sm-NBdSzP6E


松尾 ここで、 人工知能(AI)の学習の仕方について考えてみます。これはNVIDIAの自動運転のシステムなのですが、最近ディープラーニングがずっとend to end学習になっています。画像が入力されたら、それがどのようなハンドル操作やブレーキ操作をしたものなのかを、そうした画像の間をニューラルネットワークでつなげて判断しているのです。つまり、画像からハンドル操作、ブレーキ操作、アクセル操作などを直接出力できるように学習してしまう、というものなのですが、上記(参考動画1)のように上手に運転できるようになる、ということが示されています。


【参考動画2】
NVIDIA Automotive Simulation
https://youtu.be/booEg6iGNyo


 ただやはり、事故を起こさないようにするには非常に大量のデータが必要なので、そのためにはまだまだ今の何100倍、何1000倍も走らせないといけません。それは大変なので、最近NVIDIAが何をやっているかというと、シミュレータをつくり、シミュレータ上で運転するというものです。NVIDIAは、もともとゲームのコンピュータ・グラフィックスをやっていた会社なので、こういうものはすごく得意なのです。太陽を動かすと、上記(参考動画2)のように影も動...

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