知能と進化
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
AIは「意味」を理解できるのか?
知能と進化(2)AIにとって意味とは何か
総合研究大学院大学長・長谷川眞理子氏と、東京大学大学院工学系研究科特任准教授・松尾豊氏の対談において、次に問題となったのは、人々が何かを認知する際に把捉される「意味」についてであった。人工知能(AI)は「意味」を理解できているのだろうか。(全8話中第2話)
時間:9分28秒
収録日:2018年4月9日
追加日:2018年7月14日
≪全文≫

●AIは「意味」を理解できるのか


長谷川 まだよく分かりません。身体性についてと、もう1つ私がいつも引っ掛かり、よく分からないのは、「意味」についてです。意味というものを、今のAIやコンピューターは、分かっていないのではないでしょう?

松尾 ええ、分かっていません。

長谷川 AIがどんなに学習し因果関係を推定したとしても、意味は分かっていないとすれば、ではどうするのか、ということが知りたいのです。

松尾 意味については、少し大胆な仮説があり、記号処理系RNNというものと、認知運動系RNNというものがあり、その相互作用だということです。つまり意味は、記号処理系RNNが何らかの記号をもとに認知運動系RNNを発動させた際、何かの情報が返ってきて、その返ってきた情報のことを指しているのではないかと考えています。例えば、「リンゴ」という言葉を使ったときに、「リンゴ」を記号処理系RNNが発動すると、認知運動系RNNが「リンゴ」というものから想起される像を描きます。像を描いたものを、また記号処理系RNNが受け取って、「こういうものが返ってきた」の「こういうもの」が意味なのではないか、ということです。

長谷川 記号処理系RNNによって想起されることは想起されても、それがその場である特定の意味になるためには、その想起されたものの中から何かを摘み取って、別のものは選択せず、それを現在のコンテクストと結び付けなければなりませんよね。

松尾 そうですね。例えば、「リンゴが穴に落ちました」という文を解釈しようとすると、「リンゴ」と、「穴」を両方とも想起し、何か絵を描き、「リンゴが穴に落ちる」というのは、「このリンゴがコロコロとなって、こうなることなのね」ということを見つけ出すことです。記号処理系RNNの仕事はそのことを「そうなんだ」と解釈することなのではないかと思うのです。

 仮説なのですが、この図を見てください。認知運動系RNNがあり、そこにセンサーの入力が入ってきてアクチュエータの情報を出します。その上部にあるのが記号処理系RNNです。赤の矢印のように入ってきて出るのが、あまり長いプランを立てない動物のケースです。より上位の動物になると、黄色の矢印のように記号処理系RNNを介します。こうすると、少し遠くまで行けると...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之
培養肉研究の現在地と未来図(1)フェイクミート市場とリアルミート研究
食肉3.0時代に突入、「培養肉」研究の今に迫る
竹内昌治
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治

人気の講義ランキングTOP10
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
歴史の探り方、活かし方(5)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈下〉
『武功夜話』は偽書か?…疑われた理由と執筆動機の評価
中村彰彦
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
島田晴雄
編集部ラジオ2025(29)歴史作家の舞台裏を学べる
歴史作家・中村彰彦先生に学ぶ歴史の探り方、活かし方
テンミニッツ・アカデミー編集部
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(3)未解決のユダヤ問題
「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方
東秀敏