生命科学の現状と課題~生物研究と再生医療
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
再生医療の3つの分類と実用化に向けた日本の課題
生命科学の現状と課題~生物研究と再生医療(4)再生医療の現在と今後
浅島誠(東京大学名誉教授/帝京大学 先端総合研究機構 機構長)
現在の再生医療においては、さまざまな幹細胞が注目されているが、その中でどのような幹細胞による再生医療が本当に導入できるのかを考えることが重要である。今回は、再生医療の現状と今後の課題について解説する。(全6話中第4話)
時間:7分16秒
収録日:2018年7月30日
追加日:2019年1月20日
≪全文≫

●再生医療は、使用する幹細胞によって3つの種類に分けられる


 ヒトの再生医療には、大きく分けて3つのものがあると、私は思っています。

 1つ目は、胚性幹細胞(ES細胞)を使うものです。これは、受精した卵が発生をしている途中で、内部細胞塊というものを取り出して試験管の中で培養する、多能性の胚性幹細胞を用います。

 2つ目は、iPS細胞を使うものです。これは、ヒトの皮膚などの体細胞を成体になった後から取り出し、京都大学・山中伸弥先生たちの研究による山中四因子というものを加えることによって、未分化細胞を作ります。

 3つ目は、体の中にある体性幹細胞を使うものです。われわれの体の中には、骨髄だけではなく、脂肪細胞やその他も含めて、頭のてっぺんから足の先まで、さまざまな未分化細胞があります。そういった体性幹細胞を使う研究もあります。


●再生医療に本当に使える幹細胞はどのようなものか


 現在の再生医療において、非常に多くのものが注目されていますが、再生医療に本当に使える細胞とはどういうものかということが重要です。

 先ほどES細胞の話をしましたが、例えばES細胞からどのような臓器ができるかというと、熊本大学の西中村隆一先生たちの研究では、未分化細胞であるヒトのES細胞から、腎臓のもとになるものを作ることができました。西中村先生はアクチビンとレチノイン酸を加えることによって、最終的に腎臓を作りましたが、これは、われわれがカエルでやったことと原理的には同じやり方で、ヒトの腎臓ができたということです。

 先ほど、私たちの体の中には、大人になった後でもたくさんの未分化細胞があると言いました。私は、これを使うことも今後の再生医療の1つの方向ではないかと思っています。

 例えば、脳の細胞は18歳~20歳くらいまでどんどんと増えるけれども、その後には死滅するだけで増えないと、われわれはこれまで高校や大学などで習ってきました。ところが、現代科学で分かったのは、われわれの脳の中でも記憶に関わる海馬の細胞などは年老いても分裂しているということです。

 このように...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
Beyond5G・6Gで進む情報通信の民主化(1)情報通信の民主化と「協創」
6Gの研究開発を推進する情報通信の民主化
中尾彰宏
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
もっと知りたいイヌのこと(1)イヌの歴史を振り返る
オオカミはいつイヌになったか…犬の起源と家畜化の歴史
長谷川眞理子
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之

人気の講義ランキングTOP10
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(8)シオニズムとユダヤ教
シオニズムは伝統的なユダヤ教とは異質…イスラエル建国の背景
鶴見太郎
編集部ラジオ2026(12)自転車の青切符と「法と自粛」
【10minで考える】自転車の青切符と「法と自粛」
テンミニッツ・アカデミー編集部
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(5)ゴールドや暗号通貨への評価
ゴールドやビットコインへの評価は?…現代社会の写し鏡
養田功一郎
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
ラフカディオ・ハーン『神国日本』を読む(1)なぜ『神国日本』なのか?
ラフカディオ・ハーンが解明した「美しい日本」の秘密と未来
賴住光子
新撰組と幕末日本の「真実」(序)『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の魅力と史実の絶妙さ
新撰組と『ちるらん 新撰組鎮魂歌』…群像劇としての魅力の源泉に迫る!
堀口茉純
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博